◎インド北東部を流れるアジア最大の河川のひとつ「ブラマプトラ川」は一部地点の堤防が決壊し、アッサム州の33地区中28地区を浸水させた。
2022年6月18日/インド、北東部アッサム州ガウハティの集落(Anupam Nath/AP通信)

インド北東部とバングラデシュ北部で18日、豪雨による洪水が発生し、数百万人が避難を余儀なくされた。

インド北東部アッサム州政府によると、これまでに少なくとも9人の死亡を確認し、200万戸が床上もしくは床下浸水被害を受けたという。

バングラデシュの民間通信社UNBは17日の落雷で少なくとも9人が死亡したと報告している。

両国の気象当局によると、この大雨は週末も続くと予想され、複数の地域に避難を呼び掛けている。両政府は自治体に軍を派遣し、被災者の支援にあたっている。

インド北東部を流れるアジア最大の河川のひとつ「ブラマプトラ川」は一部地点の堤防が決壊し、アッサム州の33地区中28地区を浸水させた。

同州政府の報道官によると、少なくとも3000の村で浸水被害が報告されたという。

アッサム州以外の地域でもこの5日間大雨が続き、鉄道などのインフラに影響を与えている。同州南部の町ではほぼ全ての駅が水没し、線路は河川から流れ出た土砂やゴミに覆われた。

現地に派遣された兵士たちは取り残された人々の救助や生活必需品の輸送を行っている。アッサム州ガウハティの集落ではゴムボートが大活躍した。

バングラデシュではインド国境近くの地区で大きな被害が報告されている。

バングラデシュ洪水予警報センター(FFWC)によると、ヒマラヤ水系の主要河川であるガンジス川を含む全国の河川の水位は軒並み上昇し、一部で増水が報告された。

同センターは「北東部スナムガンジとシレット、北部ランプルなどの被害が特に深刻で、これらの地区では数日雨が続くとみられる」とした。

シレットのオスマニ国際空港は17日、滑走路が水没したため、少なくとも3日間全便を運休すると発表した。

今回洪水被害を受けた地域は先月にも洪水に見舞われ、多くのインフラ、農地、家屋が被害を受けたばかりである。インド北東部の州では復旧が進みつつあったと伝えられている。

バングラデシュは低地が多く、洪水やサイクロンに脆弱で、毎年大規模な洪水が発生している。

国連の気候変動政府間パネル(IPCC)によると、地球温暖化がこのまま進めば、今後10年間でバングラデシュ国民約1億6000万人のおよそ17%が移住を余儀なくされるという。

2022年6月18日/バングラデシュ、北東部シレット(Abdul Goni/AP通信)
アフィリエイト広告
スポンサーリンク