米州機構、ニカラグアに政治犯釈放と自由回復要求、具体的措置へ作業部会設置
決議に基づき、OASはニカラグア政府との対話や進展状況の確認を担うフォローアップ・グループを設置する。
と妻のムリジョ副大統領(Randall-Campos/ロイター通信).jpg)
米州機構(OAS)は10月2日、ニカラグア政府に対し、政治犯の釈放や市民的自由の回復、自由で公正な選挙の実施に向けた条件整備を求める決議を採択した。決議は、失踪者の所在と安否を明らかにすることや、政治活動などの自由を回復することを要求している。OASが外相級会合を開くのは7年ぶりで、米州各国がニカラグア情勢への対応を協議する場となった。
決議に基づき、OASはニカラグア政府との対話や進展状況の確認を担うフォローアップ・グループを設置する。グループは30日以内に活動を開始し、ニカラグア政府への直接的な働きかけを行うほか、野党、市民社会、宗教団体、経済界、国外に亡命したニカラグア人とも協議する。60日以内には、今後取り得る具体的な外交・法的措置について勧告をまとめる予定だ。武力行使は選択肢から除外されている。
ニカラグアでは2018年の大規模抗議デモ以降、政府による弾圧が続いている。オルテガ(Daniel Ortega)大統領と妻のムリジョ(Rosario Murillo)共同大統領は反対勢力や市民社会への統制を強めており、2026年9月には野党が今後の選挙に参加することを禁じた。
会合では米国のランドー(Christopher Thomas Landau)国務副長官が、ニカラグアの危機は国内問題にとどまらず、地域の安全保障にも影響すると強調した。米国はニカラグアの治安当局が「域外」の治安機関から訓練や情報面の支援を受けていると指摘している。ニカラグアはロシアや中国との安全保障協力を進めている。
一方、米州各国の間では対応を巡る温度差もある。米国はニカラグアの状況を地域的な脅威として扱う必要があると主張する一方、ブラジルやメキシコなどは、ニカラグアを安全保障上の脅威と位置付けることには慎重な姿勢を示している。ニカラグアは2023年にOASを脱退しており、同機構に制裁を科す権限もない。今後はフォローアップ・グループがどのような措置を勧告し、各国がそれにどう対応するかが焦点となる。
ドミニカ共和国は会合で、現在の状況が続くようであれば、ニカラグアとの国交を断絶すると表明した。外交的圧力が個別の対応に広がる中、OASがどこまで歩調を維持できるかが問われることになる。
.jpg)
