◎今年4月~6月の間にマリ軍の作戦で死亡した民間人は確認できているだけで96人にのぼる。
2020年8月27日/マリ、首都バマコ郊外(Getty Images)

国連は31日、マリ軍が今年4月に「外国部隊」を伴う作戦で民間人少なくとも50人を殺害したと発表した。

国連マリ多面的統合安定化ミッション(MINUSMA)によると、今年4月~6月の間にマリ軍の作戦で死亡した民間人は確認できているだけで96人にのぼる。

MINUSMAは人権侵害に関する第2四半期報告の中で、「マリ軍は4月19日に即席爆発装置(IED)による攻撃を受けた後、外国部隊と共に掃討作戦を行い、子供と女性を含む民間人少なくとも50人を殺害、500人以上を逮捕した」と述べている。

MINUSMAは外国部隊の詳細を明らかにしていない。

しかし、西側諸国は昨年の軍事クーデターで政権を奪取したゴイタ(Assimi Goita)大佐がロシアの民間軍事会社「ワグネル」と契約を結んだと非難している。

旧宗主国のフランスとマリの関係は軍事政権がワグネルを雇ったことで悪化し、仏軍のマリ完全撤退につながった。

ゴイタ氏はワグネルとの関係を否定し、軍事協力という名目でロシアの教官を雇っているだけと主張している。

マリはフランスに背を向け、ロシアと一緒にサヘル地域で活動する強力なイスラム過激派組織に立ち向かうとしている。

MINUSMAの報告は、仏軍が公表したマリ軍とワグネルの傭兵と思われる者たちによる死体遺棄事件にも触れている。

仏軍は4月、撤退を終えた北部の陸軍基地付近でワグネルの傭兵と思われる者たちが民間人の遺体を埋葬している映像を公開した。仏軍はこの行為について、「外国部隊は仏軍が民間人を殺害したと捏造したかった」という見方を示している。

マリ軍はこの告発を否定し、「フランスはマリを貶めるために映像と画像を捏造した」と反論した。

MINUSMAはこの事件についても調査している模様。遺体は仏軍がマリに陸軍基地を返還した翌日に持ち込まれたとみられる。

フランス軍が公開した写真、マリ北部で民間人の遺体を埋めるロシアの民兵(French Army/AP通信)
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