◎セイフ・イスラム氏は今年7月、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューの中で、大統領選への立候補を検討していると明らかにしていた。
2011年11月19日/リビア、革命軍に拘束されたセイフ・イスラム氏(Ammar El-Darwish/AP通信)

11月14日、リビアの元独裁者ムアンマル・カダフィ大佐の次男であるセイフ・イスラム氏が来月24日に予定されている大統領選への立候補を発表した。

リビアの民兵軍は2011年10月にカダフィ大佐を討伐した。しかし、革命で重要な役割を果たしたハリファ・ハフタル司令官率いる東部軍と首都トリポリの国連支援政府はその後激しく対立し、リビアは世界で最も危険な国のひとつになった。

セイフ・イスラム氏も2011年11月に拘束され、その後死刑判決を受けたが、2017年6月に釈放された。同氏は人道に対する罪でハーグの国際刑事裁判所(ICC)に出廷を求められているが、応じていない。

AP通信によると、ICCの報道官は取材に対し、「ICCは政治問題に関与しないが、セイフ・イスラムに対する逮捕状は今も有効である」と述べたという。

セイフ・イスラム氏は今年7月、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューの中で、大統領選への立候補を検討していると明らかにしていた。

主要な権利団体は同氏の立候補を受け、米国と国連に自由で公正な選挙を保障するよう強く促した。米国は先日、投票の妨害や結果の改ざんは厳しい制裁の対象になると警告している。

セイフ・イスラム氏は全土の主要な部族とつながりを持つ強力な候補者のひとりと見なされている。東部軍のハリファ・ハフタル司令官、アギーラ・サレー議会議長、ファティ・バシャガ元内相もまもなく立候補届を提出すると見込まれている。

一部の議会議員はセイフ・イスラム氏の立候補を拒否する声明を発表した。

アブデル・ラーマン・エル・スワヒリ議員はフェイスブックに、「カダフィの息子は大統領選ではなく、ICCに出廷しなければならない」と投稿した。「一部のカダフィ派は独裁政権時代に戻る可能性を信じていますが、それはただの夢物語です...」

選挙当局は先週、大統領選挙と議会選挙の立候補届出の受付を開始した。大統領選の締め切りは11月22日、議会選は12月7日。

リビアの暫定政府は2011年の革命と内戦を経て、2021年3月に発足した。国連主導の国際会議は先日、12月24日の選挙を自由で公正なものにすると誓った。

しかし、選挙は法律をめぐる未解決の問題や、停戦協定締結以降も続く武装勢力間の抗争など、複数の課題に直面している。

ガダフィ大佐には子供が8人おり、その大半が独裁政権時代に重要な役割を果たした。五男のムアタシムは父親と同じ時期、アル・アラブとハミースは革命の初期に殺害された。

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