◎M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。
M痘(エムポックス)ワクチン(Getty Images)

貧困国へのワクチン供与を行っている国際機関「Gaviワクチンアライアンス」は18日、アフリカ諸国でM痘(エムポックス)が猛威を振るっていることを受け、このワクチン50万回分を購入すると発表した。

このワクチンはデンマークのバイエルン・ノルディック社が製造したもので、Gaviによると、今年中に対象国に供給できる予定。

Gaviはこの購入、輸送、配送、管理を含む全費用、約5000万ドル(約71億円)について、今年6月に創設した新しい資金調達メカニズム「ファースト・レスポンス・ファンド(First Response Fund)」で賄うと明らかにした。

M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。

重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。

死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。

世界保健機関(WHO)は先月、コンゴを中心とするアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。

今年コンゴで確認されたM痘感染者は2万5000人超。死亡者数は724人。感染者の大半が15歳以下の子供である

コンゴには今のところ、EUと米国から寄付された25万回分のワクチンしか届いていない。WHOはコンゴの大流行を食い止めるためには300万回分が必要と訴えている。

EUの執行機関である欧州委員会のHERA(欧州保健緊急事態準備・対応局)はこれまでに20万回分を提供。さらに50万回を送ると約束しているが、時期は明らかにしていない。

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