ネパール総選挙、開票作業続く、新興政党RSPが地滑り的勝利へ
今回の選挙は2025年9月に起きた大規模な抗議運動の後に実施された初の国政選挙である。
.jpg)
ネパールで3月5日に行われた総選挙の開票作業が続いている。9日午後時点の暫定結果では新興政党「国民独立党(RSP)」が大きくリードしている。若者の支持を背景に急速に勢力を拡大したRSPが、長年続いてきた既成政党中心の政治構図を大きく揺るがす結果となりつつある。
今回の選挙は2025年9月に起きた大規模な抗議運動の後に実施された初の国政選挙である。このデモでは政府の腐敗や経済停滞、失業の増加などに対する不満が噴出し、最終的に当時のオリ政権が退陣に追い込まれた。こうした政治的混乱を受け、議会が解散され、暫定政権下で総選挙が行われた。
連邦議会下院にあたる代議院は275議席で構成され、165議席が小選挙区制、110議席が比例代表制で選ばれる。今回は60以上の政党と多数の候補者が参加した。投票率は58~60%と伝えられている。
開票は山岳地帯など交通が不便な地域が多いことから時間がかかっている。遠隔地の投票箱はヘリコプターなどで運ばれるため、全国の開票が完了するまでには数日を要するとみられている。
これまでの暫定結果ではRSPが圧倒的な優勢を保っている。同党は小選挙区165議席のうち122議席を獲得するか、あるいはリードしており、議会で単独多数を確保する可能性が高いとみられている。
同党を率いるのは元ラッパーでカトマンズ市長を務めたバレンドラ・シャー(Balendra Shah、35歳)氏である。シャー氏は元ラッパーとして知られ、2022年にカトマンズ市長に当選して政治の世界に本格的に進出した人物だ。今回の選挙では首相候補として出馬し、オリ(Khadga Prasad Oli)前首相を選挙区で破るなど、象徴的な勝利を収めた。
シャー氏は6万8000票を獲得し、オリ氏に大差をつけて当選した。この結果はネパール政治の世代交代を象徴するものと受け止められている。
一方、これまで政治の中心だったネパール会議派や共産党系の政党は大きく議席を減らす見通しとなっている。暫定結果ではネパール会議派が10数議席、共産党系政党が1桁台にとどまり、新興勢力に大きく水をあけられている。
今回の選挙結果は長年続いてきた政治体制に対する国民の不満を反映したものとみられている。ネパールでは過去35年間で30回以上の政権交代が起きるなど政治的混乱が続き、若者を中心に「新しい政治」を求める声が高まっていた。
最終結果は比例代表の集計が終わった後に確定する見込みだが、現在の情勢から見てRSPが次期政権を担う可能性は極めて高いとみられる。もし正式に政権を握れば、シャー氏はネパール史上最年少の首相となり、同国の政治にとって大きな転換点となるだろう。
