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オーストラリアSNS禁止法、初月で470万件の未成年アカウントを削除

規制当局は15日、規制対象の企業がこれまでに約470万件の未成年アカウントを削除したと発表した。
SNSアプリのイメージ(Getty Images)

オーストラリアで16歳未満のソーシャルメディア利用を禁止する世界初の法律が施行されて1か月足らずで、主要プラットフォームから約470万件の未成年アカウントが削除されたことが明らかになった。これは同国のインターネット規制当局が15日に公表した最新データであり、規制の迅速な影響を示している。

この法律は25年12月10日施行、米IT大手メタのインスタグラムやフェイスブック、スレッズ、Googleのユーチューブ、TikTok、スナップチャット、X(旧ツイッター)など大手ソーシャルメディア各社に対し、16歳未満のユーザーがアカウントを保持したり新規に作成したりできないよう「合理的な措置」を講じることを義務付けている。違反した場合、各社は最高4950万豪ドルの罰金を科される可能性があるが、子どもや保護者が法的責任を問われることはない。

規制当局は15日、規制対象の企業がこれまでに約470万件の未成年アカウントを削除したと発表した。この数は同国の10〜16歳が1人当たり2つ以上のアカウントを持っていたことを示し、事前の予想を大きく上回る規模である。メタ自身もインスタ、フェイスブック、スレッズを合わせて約55万件の未成年アカウントを削除したと報告している。

今回の数字は政府が初めて公表したプラットフォームの対応状況を示すもので、各社が新法に対して真剣な対策を講じていることを裏付けている。しかし、規制当局は「完全な遵守」と判断するには時期尚早だとし、年齢確認の仕組みや年齢推定技術の精度向上には時間がかかるとの見解を示した。

また当局はサービス提供会社との協議や年齢確認ベンダーからのフィードバックを踏まえ、今後も適切な対応の浸透を図る方針を明らかにした。

一方、一部の未成年アカウントはまだプラットフォーム上に残っており、削除漏れや年齢確認の誤判定など運用上の課題も指摘されている。政府側は「導入から間もないため完璧な状況とは言えないが、各社は対応を進めている」と説明し、今後もデータの分析や監視を継続する構えを示している。

この法律は子どものインターネット利用に関する懸念の高まりを受けて成立したもので、オンライン上の有害なコンテンツやアルゴリズムによる影響から未成年を保護する狙いがある。政府は15日の声明で、若者の安全と健全な発育を優先するための措置だと強調し、今後数年をかけて禁止の効果を評価する研究も進められる予定だと述べた。

この規制は国内外で論争を呼んでおり、オーストラリア国内では支持する意見とともに「技術的に完全に施行するのは困難」との指摘もある。また、一部の企業は法の効力に異議を唱えつつも、現状では遵守の姿勢を示している。こうした動きは他国でも注目されており、年齢制限付きのSNS利用規制のあり方に関する議論が今後さらに広がる可能性がある。

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