◎インフラ省は9日、「トラック運転手たちは27州中13州の主要高速道路で抗議デモを決行した」と述べた。
9月9日、ブラジルのトラック運転手たちは主要な高速道路をほぼ封鎖したうえで激しい抗議デモを展開し、ジャイール・ボルソナロ大統領を唸らせた。
ボルソナロ大統領は7日に開催された独立記念日を祝う集会の中で最高裁判所のアレクサンドル・デ・モラエス判事の解任を要求し、支持者に抗議デモを行うよう促していた。
またボルソナロ大統領は1996年に採用された電子投票システムを「詐欺」と呼び、自分の弾劾裁判を推進し、支持者を起訴したデ・モラエス判事を激しく非難した。
翌日、ボルソナロ大統領を熱烈に支持するトラック運転手たちは最高裁判所の前に集結し、デ・モラエス判事の解任と共産主義を犯罪化する法律を速やかに施行するよう要求した。
ボルソナロ大統領は9日、首都ブラジリアでトラック運転手数人と話し、2018年に発生したトラックストライキのような事態は避けるよう注意を促した。しかし、ブラジルのトラック運転手の大半は独立しているか、小さな組合に加入していることがほとんどで、注意喚起はほとんど意味をなさなかった。
インフラ省は9日、「トラック運転手たちは27州中13州の主要高速道路で抗議デモを決行した」と述べた。声明によると、運転手たちは車線の大半を封鎖し、一部地域で大渋滞を引き起こしたという。
政治アナリストのカルロス・ネポムセノ氏はAP通信の取材に対し、「ボルソナロ大統領は最も過激な支持者をコントロールできていない」と述べた。
ボルソナロ大統領は7日の演説の中で、「デ・モラエス判事は私と息子が虚偽のニュースを広めたという訴えを調査しているが、これは大きな間違いであり、この男の決定には従わない」と述べ、最高裁判所の命令を無視すると示唆した。
これに対し最高裁判所の長官は、「独立した司法の判決に従わないと宣言し、その意思を広めようとする試みは、非の打ちどころのない犯罪である」とボルソナロ大統領を厳しく非難した。また、ボルソナロ大統領寄りの中道政治家たちもこの発言を非難し、上院の弾劾調査を支持する可能性があると警告した。
2018年に発生したトラック運転手のストライキは11日間続き、食料価格の急騰とガソリン不足を引き起こし、国に数十億ドルの損失を与え、組織化されたトラック運転手たちの力を全国に示した。
当時下院議員だったボルソナロ大統領はトラック運転手たちの主張を支持すると表明し、労働者層の支持を得て10月の大統領選に勝利した。
しかし現在、ブラジルのインフレ率は2桁近くまで急上昇し、ボルソナロ大統領の支持率はそれに反比例する形で急落した。2022年10月に予定されている大統領選挙の最新の世論調査によると、ボルソナロ大統領の支持率は対立候補のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ前大統領を約9％下回っているという。
全国の警察官は高速道路で展開された激しい抗議デモの対応に追われ、いくつかの主要な高速道路では大渋滞が発生したと伝えられている。
ボルソナロ大統領の熱烈な支持者でブラジルのソーシャルメディアスターとして知られる「ジョー・サンダー」ことマルコス・ゴメス氏は、メッセージアプリのテレグラムでトラック抗議デモを煽った。「車線を封鎖しなさい。閉じるのです、運転手たちよ！」
