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アルゼンチン当局、コロンビア上院議員暗殺事件に関与した男を逮捕

この事件はコロンビア政界に大きな衝撃を与えた重大な政治暴力事件である。
2025年6月15日/コロンビア、首都ボゴタ、ウリベ上院議員と連帯する集会(ロイター通信)

アルゼンチン当局は22日、コロンビアで2025年に発生した上院議員暗殺事件に関与したとして、コロンビア国籍の男を逮捕したと明らかにした。逮捕されたのはブライアン・フェルネイ・クルス・カスティジョ(Bryan Ferney Cruz Castillo)容疑者で、コロンビアに送還される予定である。

この事件はコロンビア政界に大きな衝撃を与えた重大な政治暴力事件である。犠牲となったミゲル・ウリベ(Miguel Uribe)上院議員は大統領選への出馬を目指す有力政治家で、25年6月に首都ボゴタでの選挙活動中に撃たれ、約2カ月後に亡くなった。この事件は数十年で最も深刻な政治的暴力の一つと位置づけられている。

今回逮捕されたカスティジョ容疑者について、アルゼンチン当局は暗殺への直接関与を示唆したが、コロンビアの検察当局は「首謀者ではない」と説明している。容疑者は事件に関与したとして実刑判決を受けた女の交際相手で、間接的なつながりがあるとされる。この女は武器の運搬や計画への関与などで有罪となり、20年超の禁固刑を言い渡されている。

捜査当局によると、カスティジョ容疑者はアルゼンチンに入国後、別の事件で裁判所へ出頭するよう命じられた。警察が出頭時に身柄を確保したという。この暗殺事件の背後関係については、旧コロンビア革命軍(FARC)の分派組織「セグンダ・マルケタリア(Segunda Marquetalia)」の関与が疑われている。コロンビア当局は同組織の幹部らに対する逮捕状を発行し、事件が単独犯ではなく組織的な計画の一部である可能性が強まっている。

ウリベ氏の暗殺は2016年の和平合意後も続く左翼ゲリラの暴力や政治的不安定さを改めて浮き彫りにした。特に2026年の大統領選を控える中で起きたことから、民主主義の根幹を揺るがす出来事として国内外で強い懸念が広がった。未成年者が実行犯(逮捕済み)であった点や、複数の共犯者が摘発されている点も、犯罪ネットワークの広がりを示唆している。

今回の逮捕は事件の全容解明に向けた国際的な捜査協力の一環と位置づけられる。アルゼンチンでの逮捕により、事件に関わる人物の行動や関係性の全体像が明らかになる可能性がある。一方で、実行犯だけでなく背後にいる組織や指示系統の解明が課題であり、捜査の焦点は今後もそこに向けられる見通しである。

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