米ウェストバージニア州の工場で化学物質漏洩、2人死亡、19人負傷
ウェストバージニア州のカナワ川流域は化学工場が集積する地域として知られ、過去にも漏洩・流出事故が繰り返されてきた。
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米ウェストバージニア州の工場で化学物質が流出し、多数の死傷者が出た。現地メディアが22日に報じた。それによると、事故は22日午前、同州インスティテュート地区にある金属精製関連施設で発生し、少なくとも2人が死亡、19人が負傷した。
事故は閉鎖予定となっていた工場の設備撤去・清掃作業中に起きた。関係者によると、作業員がタンクの解体や除染作業を進める過程で硝酸などの化学物質が混合され、化学反応が起き、有毒である硫化水素が発生したとみられている。硫化水素は無色で強い毒性と可燃性を持つ気体で、吸入すると短時間で健康被害を引き起こす。
このガス発生により、現場にいた作業員らが次々と体調不良を訴え、21人が病院に搬送された。そのうち2人が死亡、1人が意識不明の重体と報告されている。負傷者の中には救助にあたった救急隊員も含まれており、対応の困難さと危険性が浮き彫りとなった。
現場周辺では一時、住民に対して屋内退避命令が出され、数時間後に解除された。当局は空気中の有害物質の拡散状況を監視しつつ、現場の除染作業を実施。作業員や救助者は衣服を脱いで洗浄するなど大規模な除染措置が取られた。
地元の医療機関では咳や息切れ、喉の痛み、目のかゆみといった呼吸器症状を訴える患者が相次いだ。多くは軽症とみられるが、化学物質による影響の詳細について引き続き調査が行われている。
事故が発生した施設は銀の回収・精製を行う工場で、運営会社は声明で犠牲者への哀悼の意を示すとともに、調査に全面的に協力すると表明した。労働安全衛生局(OSHA)など州・連邦レベルの機関が原因究明に乗り出し、調査には数か月を要する見通しである。
今回の事故について当局者は「化学反応は最も危険な状態である」と指摘、設備撤去という通常とは異なる作業環境の中で予期せぬ反応が起きた可能性がある。詳細な原因分析が焦点となっている。
ウェストバージニア州のカナワ川流域は化学工場が集積する地域として知られ、過去にも漏洩・流出事故が繰り返されてきた。今回の事故は老朽化施設の閉鎖作業に伴うリスクや安全管理体制のあり方を改めて問うものとなっている。再発防止に向け、作業手順の見直しや規制強化を求める声が高まる可能性がある。
