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ノルウェー政府、16歳未満のSNS利用禁じる法案提出へ

この措置の背景には、子どもの発達や精神的健康への影響に対する懸念がある。
スマートフォンを操作する中学生たち(Getty Images)

ノルウェー政府は24日、16歳未満のソーシャルメディア利用を禁止する法案を年内に議会へ提出する方針を明らかにした。対象となる具体的なサービス名は示されていないが、年齢確認の責任をIT企業側に課す点が特徴である。

この措置の背景には、子どもの発達や精神的健康への影響に対する懸念がある。ガール・ストーレ(Jonas Gahr Store)首相は声明で、「子どもは子どもらしくあるべきだ」と強調し、遊びや友人関係といった現実世界での経験が、アルゴリズムや過度なスクリーン利用によって侵食されてはならないと述べた。

SNS規制に向けた動きはノルウェー以外の国でも進んでいる。オーストラリアは昨年末に世界で初めて16歳未満のSNS利用を全面的に禁じ、欧州でも同様の規制を検討・導入する国が相次いでいる。デンマークやフランス、イギリス、スペインなども年齢制限の強化を進め、若年層のオンライン環境を規制する流れが国際的に広がっている。

ノルウェーの法案では、企業に対して厳格な年齢確認を求める点が重視される。従来、SNS各社は利用規約で最低年齢を13歳程度に設定してきたが、実際には年齢詐称などにより多くの子どもが利用していると指摘されてきた。このため、政府は規制の実効性を高めるため、プラットフォーム側に直接的な責任を負わせる方針を取る。

一方で、こうした規制には課題も残る。対象となるサービスの範囲や、実際にどこまで厳密な年齢確認が可能かは不透明である。また、過度な規制が子どもの情報アクセスや表現の自由を制限する可能性も指摘されている。実際、企業側からは教育的利用の機会を損なう懸念や、子どもがより管理の難しい別のオンライン空間へ流れるリスクも示されている。

それでも各国が規制強化に踏み切る背景には、SNSと若年層の関係をめぐる社会的議論の高まりがある。依存傾向や有害コンテンツ、アルゴリズムによる影響などが問題視され、従来の自主規制だけでは不十分との認識が広がっている。

ノルウェー政府は2026年末までの法案提出を目指し、成立すれば欧州でも比較的厳しい水準の規制となる見通しだ。子どものデジタル環境をどこまで制限すべきかという課題は、今後も各国で議論が続くことになりそうだ。

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