◎グレタ・トゥーンベリ氏は合成繊維の衣類を市場に大量に投入するファストファッションを厳しく非難し、「ファッションブランドは自社製品が環境に与える影響に責任を持たなければならない」と述べた。
2020年6月14日/スウェーデン、首都ストックホルム、グレタ・トゥーンベリ氏(Mattias Osterlund/AP通信)

スウェーデンの気候活動家グレタ・トゥーンベリ氏はヴォーグ紙のインタビューの中で、ファッション業界は気候の悪化に大きく貢献していると指摘した。

トゥーンベリ氏は合成繊維の衣類を市場に大量に投入するファストファッションを厳しく非難し、「ファッションブランドは自社製品が環境に与える影響に責任を持たなければならない」と述べた。

ファストファッションは季節のトレンドに応えるために、衣料品を大量生産し販売するファッションブランドやその業態を指す。

トゥーンベリ氏は衣類を持続可能に見せかける「SDGsウォッシュ(グリーンウォッシュの造語)」キャンペーンを推進している企業を非難した。

トゥーンベリ氏はインタビューの中で、「最後に服を購入したのは3年前で、その服は中古品だった」と明らかにした。「私はお古を借りたと思っています。それはまだ着れます」

トゥーンベリ氏は9日、ヴォーグ紙の表紙と気候変動に関するコメントをツイートした。「私は使い捨てのファストファッションに反対します...」

ファストファッションが提供する衣料品はこれまでの常識を覆す価格と質で世界を席巻した。しかし、年間1億トン近い衣服が捨てられる原因を作り、水や大気を汚染する主要因のひとつになった。

専門家によると、ファッション業界が毎年排出する温室効果ガスの排出量は、地球全体の約8%を占めるという。また、合成繊維だけで毎年12億トンもの温室効果ガスを大気中に排出していると推定されている。

トゥーンベリ氏はシステムの変更を呼びかけたうえで、「衣料品を大量生産および消費するべきではない」と訴えた。

国連は2019年の報告の中で、「ファッション業界は世界で2番目に汚染物質を排出する業界」と指摘した。

報告によると、同業界では年間約930億㎥の水(500万人の年間使用量に相当)と、年間約50万トンのマイクロファイバー(300万バレルの石油に相当)が使用されており、世界の年間廃水の約20%を排出しているという。

国連や批評家に非難されたファッション業界はSDGsを含む環境に優しい取り組みを推進し始めたが、トゥーンベリ氏や他の活動家たちはファッションブランドの対策を「うわべだけ環境に配慮する偽善」と厳しく非難している。

世界の大手ファッションブランドは、製品の環境上のメリットについて消費者を誤解させるマーケティングスピンのひとつである「グリーンウォッシング」でしばしば非難されてきた。

世界で最も有名な気候活動家になったトゥーンベリ氏は、数百万人の若者が参加する気候変動キャンペーン「フライデー・フォー・フューチャー」を発足し、世界各地で活動している。

2019年9月21日/ニューヨークの国連本部、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリ氏と国連のアントニオ・グテーレス事務総長(Eduardo Munoz Alvarez/AP通信)
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