◎容疑者は2020年1月~2023年3月までの間に、ロシアの軍需企業に26回にわたって電子部品を輸出した。
2022年6月8日/ウクライナ、首都キーウ郊外、偵察用ドローンを飛ばすウクライナ兵(Natacha Pisarenko/AP通信)

ドイツ連邦検察庁は29日、ロシア企業にドローンの部品を違法に輸出した疑いで男を逮捕したと発表した。

それによると、容疑者は軍用品や付属品の生産に関わるロシア企業に部品を輸出したとして、今年3月に逮捕されたという。氏名は明らかにされていない。

容疑者は南西部ザールラント州で電子部品の国際貿易のために設立した2つの会社の常務取締役を務めていた。

ドイツ連邦検察庁によると、容疑者は2020年1月~2023年3月までの間に、ロシアの軍需企業に26回にわたって電子部品を輸出したという。その会社はロシア軍がウクライナ侵攻で使用している偵察用ドローン「オルラン10」を製造していた。

同庁は声明で、「容疑者が輸出した部品はこの種のドローンに使用されるものであり、EUの対ロシア制裁に違反している」と述べている。

容疑者はEU制裁を回避するルートを確立していたようだ。

輸出先は当初、ロシアに拠点を置く2つの民間ダミー会社であった。この会社は容疑者と相談し、商品が軍需企業に流れるようにした。

昨年2月にウクライナで戦争が始まると、容疑者は受取人の助けを借りて、ドバイやリトアニアなどを経由しロシアに商品を輸送する方法に切り替えた。

違法に輸出された部品の総額は71万5000ユーロ(約1億1300万円)にのぼる。

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