◎学生たちは校舎の窓からビラを投げ、「反ファシスト!」と叫んだ。
2022年4月14日/フランス、パリのラ・ソルボンヌ大学(Francois Mori/AP通信)

フランスの大学で14日、マクロン大統領と国民連合のル・ペン党首の政策に抗議するデモが行われ、数百人の学生が校舎を占領・封鎖した。

パリのラソルボンヌ大学の学生たちは4月24日の決選投票に進出した両候補に撤退もしくは政策の見直しを要求した。学生たちは両候補が貧困層や環境を保護する政策に重点を置いていないと指摘している。

学生たちは校舎の窓からビラを投げ、「反ファシスト!」と叫んだ。

警察は大学の要請を受け、他のデモ隊が大学敷地内に入るのを阻止するために催涙ガスを使用したと伝えられている。

大学の入り口付近には「マクロン、ル・ペンに対抗してソルボンヌを占領」と書かれた横断幕が掲げられた。

校内の政治科学研究所では左派と思われる学生がゴミ箱のバリケードを設置し、右派とにらみ合いになった。ソーシャルメディアでは、右派と思われる学生が研究所前のゴミ箱を蹴っ飛ばし、左派ともみ合いになる動画が共有されている。

パリ警察は14日、校内で複数の事件が発生したと報告した。

AFP通信によると、取材に応じた左派学生の多くは10日の第1ラウンドでル・ペン党首に1ポイント差で敗れた急進左派のメランション候補に投票したという。

マクロン大統領とル・ペン党首の支持率は拮抗しており、多くのメディアや専門家が左派陣営の動向を注視している。

多くの左派有権者がル・ペン党首を「女トランプ」と呼び、反移民と反イスラムを推進する危険人物と見なしている。一方、マクロン大統領については、低中所得者層に配慮しないビジネス政策を推進する「右傾化しすぎた金持ち大統領」と呼んでいる。

占領デモに参加した女性はAP通信の取材に対し、「前回の選挙でマクロンを試したけど最悪だったし、ル・ペンが政権を取ったらもっと最悪になるので、二人ともフランスから消えてほしい」と語った。

別の学生は、「若者は環境問題、社会問題、反人種差別、フェミニスト、LGBTQの問題に関心を持っています」と訴えた。「若者の意見に耳を傾ける候補者が必要なのです。二人に政策の見直しを要求します」

環境保護団体で活動しているという学生はAPに、「労働者や若者の敵である右派候補のコンテストが中止されるまで戦い続ける」と誓った。「私たちは受け入れません。右派政党の緊縮財政と公害政策があと5年続くなど考えたくもありません」

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