◎EUの高官は隣国に移民を押し込もうとするベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領に対する制裁を維持すると誓った。
2021年9月16日/タジキスタンで開催された集団安全保障条約機構(CSTO)の会議、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(Russian Foreign Ministry Press Service/AP通信)

9月28日、EUの高官は隣国に移民を押し込もうとするベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領に対する制裁を維持すると誓った。

EU内務委員のイルヴァ・ヨハンソン氏はキプロスのニコス・ヌーリス内相との会談後、記者団に対し、「ルカシェンコ大統領の行動は容認できず、EU27カ国はベラルーシに対する制裁の維持を支持している」と語った。「EUは対応を改めるよう何度も警告していますが、ルカシェンコ大統領は不法移民の押し込みを含む多くの間違いを犯しています」

ヨハンソン氏は厳しい制裁下に置かれているルカシェンコ大統領を「絶望的な人物」と呼び、ベラルーシ政府は制裁に対応できないだろうと述べた。

ルカシェンコ政権は昨年8月の大統領選挙後の弾圧、独立系ジャーナリストやメディアに対する違法な取り締まり、隣国への移民押し込み攻撃などを推進しており、EUに厳しい制裁を科された。

ヨハンソン氏は、ルカシェンコ大統領は必死に行動しているが、今のままではEUの制裁に対応できず、難しい判断を迫られることになるだろうと語った。「ルカシェンコ大統領は必死に隣国ポーランド、リトアニア、ラトビアに移民を押し込もうとしています。EUは不法入国を推進するベラルーシ政府を受け入れません...」

EU加盟国のポーランドとリトアニアはここ数カ月、ベラルーシから送り込まれてくる不法移民に悩まされてきた。ベラルーシはEUを不安定化させるために移民の背中を押していると信じられているが、ルカシェンコ大統領はこの主張を否定している。

移民希望者は主に中東とアフリカ人で構成されており、アフガニスタンの難民も含まれる。

移民の大量流入は、西側諸国が昨年8月の大統領選挙とメディアの違法な取り締まりに対する制裁を科した後に始まった。

ポーランド政府とリトアニア政府はベラルーシとの国境沿いに非常事態を宣言し、国境警備隊、軍、治安部隊以外の立ち入りを禁止した。また両国は、国境沿いにかみそりワイヤー付きフェンスを建設している。

現地メディアによると、これまでにベラルーシの森と沼地を通過しようとした移民希望者少なくとも5人の死亡が確認されたという。

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