◎沿岸警備隊は23日早朝、北部カレーの海岸から移民とみられる人々を乗せたボートが数隻出港したという通報を受け、現場に急行した。
ドーバー海峡で保護された亡命希望者たち(Getty Images)

ドーバー海峡で移民を乗せたボートが転覆し、子供を含む5人が死亡、107人が救助された。フランス当局が23日、明らかにした。

それによると、沿岸警備隊は23日早朝、北部カレーの海岸から移民とみられる人々を乗せたボートが数隻出港したという通報を受け、現場に急行した。

その後、沿岸警備隊は112人を乗せた超過密状態のボートを発見。このボートは発見時、ほとんど沈みかけていた。

AFP通信はカレー当局の話しとして、「海軍も救助作業に参加したものの、残念ながら女性1人、男性3人、7歳の女児の死亡が確認された」と伝えている。

それによると、海に落ちた15人を含む107人が救助され、ブローニュの港に移送されたという。

地元テレビ局は関係者の話しを引用し、「5人の遺体は23日早朝に海岸で発見された」と報じた。

この悲劇は「移民をルワンダに送る」というスナク英政権の法案が議会を通過した数時間後に発生した。

英政府はルワンダ政府との協定に基づき、不法移民の一部を強制送還する予定だ。

ルワンダ政府はこの協定により、不法移民を保護する代わりに英政府から最大1億4000万ポンドの融資を受ける。ルワンダで亡命を認められた者はそこで生活し、認められなかった者は専用施設に送られる。

欧州人権裁判所(ECHR)は2年前、最初の移民がルワンダに送られる直前に待ったをかけた。ECHRはこの計画に「不可逆的な損害をもたらすリスクがある」と判断した。

英政府の統計によると、昨年ドーバー海峡を横断した移民は約3万人。22年の4万5000人超から大幅減となった。21年は約2万8000人、20年は約8500人。

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