◎トルコ中銀は「利下げ=インフレの解毒剤」というエルドアン氏の信念を信じている。
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トルコの中央銀行は20日、先月の消費者物価指数(CPI)が前年同月から83.45%上昇したにもかかわらず、3カ月連続で主要政策金利を引き下げた。
地元メディアによると、中銀は主要政策金利を1.5%引き下げ、10.5%とした。同行は8月と9月にもそれぞれ1%ずつ金利を引き下げている。
同行は声明の中で、「世界規模の地政学的リスクが広がる中、鉱工業の成長の勢いと雇用の前向きな傾向を維持するために、金融環境を整えることが重要である」と述べている。
また同行は11月にも同様の措置をとり、金利を1桁にすると示唆した。
独立系のインフレ研究グループによると、トルコの実際のインフレ率は公式統計よりはるかに高く、180%を超えていると主張する専門家もいる。
エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は経常収支の黒字化を目指すために、金利を下げて生産と輸出を増やしたいと説明している。また同氏は利下げの効果は徐々に出てくるという見方を示している。
トルコ中銀は「利下げ=インフレの解毒剤」というエルドアン氏の信念を信じている。一方、その他の国々は「利上げ=インフレの解毒剤」という経済界の常識を信じている。
同国の9月のCPIは83.45%増という驚異的な数値を記録し、多くの市民が生活必需品の購入に苦労している。
世界の中銀はトルコとは逆の路線をとっている。
ユーロを採用する19カ国の先月のCPIは過去最高の9.9%に達し、欧州中銀はこれに対抗するために大幅な利上げを決断。来週にも新たな利上げが予定されている。
トルコリラは米ドルに対し、年初以来28%下落した。一方、ドルはFRB(連邦準備制度理事会)の金融引き締めを受け、歴史的な高値を記録している。
来年6月の大統領選に立候補すると期待されているエルドアン氏は今月、「自分が大統領である限り、金利は毎日、毎週、毎月下がり続けるだろう」と述べた。またエルドアン氏は「このテーマについて、誰も我々にアドバイスしてはならない」と警告した。