◎トルコ中央銀行は先月、物価高騰、リラ暴落、経常収支の不均衡にもかかわらず、再び主要政策金利を引き下げ、12%とした。
トルコ、イスタンブールの市場(Getty Images)

トルコ当局は3日、先月の消費者物価指数(CPI)が前年同月から83.45%上昇したと報告した。

政府の統計機関によると、CPIが83%に達したのは24年ぶり。8月は約80%だった。

市民は食料・燃料価格、電気、ガス、住宅ローンの支払いに苦労している。あるツイッターユーザーはエルドアン政権に「もっとうまくやってほしい」と懇願した。

独立系のインフレ研究グループによると、トルコの実際のインフレ率は公式統計よりはるかに高く、180%を超えていると主張する専門家もいる。

しかし、トルコ中央銀行は先月、物価高騰、リラ暴落、経常収支の不均衡にもかかわらず、再び主要政策金利を引き下げ、12%とした。トルコの金利は先進国に比べると高い。

昨年の利下げ開始以来、リラはドルに対して急落を続けている。

ロシアのウクライナ侵攻とリラの下落は、インフレに拍車をかけた。

エコノミストはトルコのインフレについて、「高金利がインフレを引き起こす」というエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の異端な信念が引き起こしていると指摘している。

政府は経常収支の黒字化を目指すために、金利を下げて生産と輸出を増やしたいと説明している。エルドアン氏は金利引き下げの効果は徐々に出てくるという見方を示している。

政府の統計機関によると、CPIの上昇が最も顕著な部門は運送業で前年同月から117.66%増。次いで食品と非アルコール飲料が93%増となった。

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