◎パーラーは非主流SNSプラットフォームとして主に右翼の支持を集めているようだ。
米ネバダ州に拠点を置くSNSプラットフォーム「パーラー(Parler)」は17日、ラッパーのカニエ・ウェスト(本名イェ)さんの買収提案に同意したと発表した。
米国を代表するスーパーラッパーのイェさんは先週、反ユダヤ的なメッセージを投稿したとして、ツイッターとインスタアカウントをロックされた。
パーラーは非主流SNSプラットフォームとして主に右翼の支持を集めているようだ。
パーラー社のCEOはイェさんの声明を引用し、「ソーシャルメディアの弾圧を恐れる必要はありません」と述べている。
現地メディアによると、取引の詳細はほとんど明らかになっていないという。
買収手続きは年内に完了する見込みと伝えられている。
パーラー社は買収にあたり、技術的なサポートを継続すると表明した。
パーラーは2020年の米大統領選後に爆発的に拡散したが、ここ数カ月はユーザーの確保に苦労しているようにみえる。
アップルとグーグルによると、パーラーの先月の世界ダウンロード数は約9万回。ツイッターの1%に満たなかった。
イェさんは「保守的な意見が物議を醸すと今、自由に自分を表現できる場所と権利を確保しなければならない」述べている。
イェさんは長年、反ユダヤ主義的な陰謀論を世界に発信し、批判を浴びてきた。
イェさんは先週、ラッパーのディディ(Diddy、本名ショーン・コムズ)さんがユダヤ思想に支配されているとインスタに投稿し、凍結された。
インスタを失ったイェさんはツイッターに「ユダヤ人にデス・コン・スリー(death con 3)を仕掛けてやる」とツイートし、資格を剥奪された。
「death con 3」は国防総省が戦争・防衛準備体制を5段階で評価するデフコン(DEFCON、Defense Readiness Condition)をもじったものであり、第3段階のデフコン3は高度な防衛体制を意味し、9.11同時多発テロなどで宣言された。
パーラー社の登録ユーザー数は1500万人と推定されている。
米国にはトランプ(Donald Trump)前大統領が運営するSNS「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」など、右翼をターゲットにしたSNSが数多く存在する。
一部の共和党議員、放送局、そしてツイッターやインスタから追い出された極右組織などがパーラーを利用しているようだ。
アップルとグーグルは昨年1月の議会襲撃事件を受け、パーラーのダウンロードを停止した。パーラーの一部利用者は議事堂に侵入する写真や動画を投稿していた。
IT大手はその後、パーラーが利用規約を大幅に見直したことを受け、アプリストアでの配信を許可した。