◎環境運動家たちは近年、政府や企業に対して数多くの訴訟を起こしているが、強制力のある判決が下されたことはほとんどない。
スウェーデンの環境活動家たちは25日、気候変動対策が不十分であるとして連邦政府を提訴した。
訴えを起こしたのはグレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんを含む26歳以下の若者600人以上からなる環境活動家グループ。
原告団は「政府の気候変動政策が国民の人権を侵害した」としている。
この訴訟を準備・提起した環境活動家グループ「オーロラ」の広報担当はAP通信の取材に対し、「スウェーデン政府はこれまで地球温暖化を危機として扱ってこなかった」と語った。「政府はその責任を放棄し、国民に責任を負わせ、人権を侵害したのです!」
科学者たちは地球の気温を産業革命以前の平均気温の1.5度以下に抑えなければ取り返しのつかない事態になると警告している。
先週閉幕したCOP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)はこの目標を維持したが、より多くの二酸化炭素を削減するという提案はもみ消された。
グレタさんはスウェーデン政府の政策について、「気候災害を防ぐことはできず、むしろ悪化させる」と批判している。
連邦議会は5年前に温室効果ガスの排出量を2045年までに実質ゼロにし、再生可能エネルギー100%を目指すと発表した。
地元メディアによると、政府は訴状に関するコメントを控えたという。
環境運動家たちは近年、政府や企業に対して数多くの訴訟を起こしているが、強制力のある判決が下されたことはほとんどない。
ドイツの最高裁は昨年、次の世代に過度の負担をかけないよう、政府は気候目標を調整する必要があると判決を下した。政府はこれを受け、温室効果ガス実質ゼロの目標を5年前倒しして2045年とし、目標達成に向けたより野心的な中長期計画を策定した。