◎消防当局によると、数十軒の建造物が被害を受けたが、死傷者は確認されていないという。
2021年7月3日/キプロス、南東部の都市ラルナカの山岳地帯周辺、消火活動の様子(EPA通信/Getty Images/AFP通信)

キプロス政府は3日、少なくとも7つの村に影響を与えている大規模な山火事の発生を受け、EUとイスラエルに支援を要請した。

炎は南部リマソール地区の山岳地帯全体に広がり、村の住民は避難を呼びなくされた。消防当局によると、数十軒の建造物が被害を受けたが、死傷者は確認されていないという。

キプロスは猛烈な熱波の影響で先週から気温が急上昇し、内陸部では40℃を超えた地域もあったと伝えられている。

政府は3日正午頃に山火事がリマソール地区と南東部ラルナカの都市に接近しつつあることを受け、EUとイスラエルに支援を要請した。

コスタス・カディス環境相は地元メディアのインタビューの中で、「山火事はトロードス山脈の村と広大な森林エリアに到達し、私有地を焼き払っている」と述べた。

ニコス・アナスタシアディス大統領はツイッターに、「炎の侵攻を阻止するために、国の消防機関を総動員する」と投稿した。

アナスタシアディス大統領は「最優先は人命の保護」と強調したうえで、消防飛行機の派遣を決めたギリシャとイスラエルに謝意を表した。

政府のマリオス・ペレカノス報道官によると、ギリシャは消防飛行機を2機、イスラエルも2機現地に派遣したという。また、EUの市民保護団体を通じて別の消防飛行機4機に支援を要請したことも明らかにした。両国の部隊は3日遅くに到着する予定。イタリアも消防飛行機2機を送ると発表した。

欧州委員会の危機管理責任者ヤネス・レナルシック氏は3日、各国の空中部隊による消火活動は強化されると述べた。「委員会はEUのコペルニクス衛星で炎を追跡し、山火事の影響を受けた地域を評価しています...」

ロイター通信によると、キプロスに駐屯しているイギリス陸軍はヘリコプターと消防飛行機による消火活動をすでに開始しているという。

地元メディアは、「炎は森と家を焼き、黒煙は空を覆い、屋内にいても焦げ臭い匂いを感じる」と報じた。

リマソール地区の町アラカパスの住民は地元メディアの取材に対し、「消防隊の活動を手伝ったが、炎の延焼速度は速く、制御できなかった」と述べた。

国営のキプロス通信社によると、政府は住居を失った住民に宿泊施設を提供したという。また警察は、山火事に関与したとされる67歳の男を逮捕したと発表した。

2021年7月3日/キプロス、南東部の都市ラルナカの山岳地帯周辺(Petros Karadjias/AP通信)
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