◎ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は記者会見の中で、「接種の義務化に向けた協議を奨励する」と述べた。
2021年10月27日/ブリュッセルのEU本部、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長(Getty Images/AFP通信/EPA通信)

12月1日、EUを統括する欧州委員会は加盟27カ国にコロナワクチン接種の義務化を検討すべきと呼びかけた。

ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は記者会見の中で、「ワクチンは感染力の高い新たな変異株と闘ううえで非常に重要」と語った。

EU加盟国の平均接種率は66%まで上昇したが、多くの国で陽性者が急増している。加盟国の大半はワクチンパスを導入し、一部はワクチン義務化に向けた準備を開始した。

フォン・デア・ライエン委員長は、「接種の義務化に向けた協議を奨励する」と述べ、オミクロン株が拡大する前により強い措置を講じるべきと主張した。「EU圏内における強制ワクチン接種を議論する時が来ました。これを実行するためには足並みを揃える必要があります。私はこの議論を主導します...」

またフォン・デア・ライエン委員長は、EUの全人口の3分の1がまだワクチンを接種していないと強調し、ワクチン展開の失敗はより多くの死と医療費の莫大な増加につながると警告した。「EUはワクチンを持っています。しかし、全人口の3分の1、1億5000万人がまだワクチンを接種していません...」

オーストリアは来年2月1日から全国民にワクチン接種を義務付ける予定である。

ギリシャは来年1月から60歳以上の居住者のワクチン接種を義務化し、接種を拒否する者には毎月100ユーロ(約13,000円)の罰金を科すと発表した。

スロバキアは接種率を引き上げるために、接種者に500ユーロ(約64,000円)を支給することを検討している。

ドイツの次期首相であるオラフ・ショルツ副首相は1日に放送された地元メディアのインタビューの中で、義務化を支持すると述べた。またショルツ副首相、「来年3月からワクチン接種を義務化し、ブースターショットの展開も合わせて強化する」と述べ、就任次第、義務化に向けた取り組みを開始すると示唆した。

欧州委員会、欧州理事会、EU27カ国の保健相は1日の会談でオミクロン株について協議する予定。この会談でワクチン義務化の提案がまとまるかどうかは不明だが、27カ国が応じれば、提案は12月16日のEU首脳サミットで審議されることになる。

EUの保健当局によると、オミクロン株は1日時点で加盟11カ国で59件確認されたという。オランダの感染者は16人に増加した。

オミクロン株は南アフリカで急速に拡大しており、1日の件数は前日の2倍に増加したと報告された。国立伝染病研究所(NICD)のエイドリアン・ピューレン博士は30日、ロイター通信の取材に対し、「オミクロン株の勢いはデルタ株を超える可能性がある」と警告した。

各国の保健機関のデータをまとめているデータベースによると、現在、世界で流行しているコロナ変異株の99%以上がデルタ株である。

WHOと世界の医療専門家は今年初めに確認されたベータ株を「最も警戒すべき変異株」と呼び、多くの懸念と混乱を引き起こしたが、爆発したのはデルタ株だった。VOCに指定されているアルファ、ベータ、ガンマ、注目すべき変異株のミューとラムダもワクチンに対する耐性を持っていると懸念されたが、デルタ株に敗れた。

南アフリカの新規陽性者は7月初旬に26,000件を超えピークに達したが、その後は減少に転じ、11月初旬の陽性者は300件を割った。しかし、11月末の直近1週間の陽性者は1日あたり約3,000件まで増加し、当局は来週中に10,000件を超えると予想した。

NICDは1日の声明で、11月に行ったサンプル検査の74%がオミクロン株だったと明らかにしたが、オミクロン株の総感染者数は明らかにしていない。

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