500万人の都市が再び完全封鎖された

ビクトリア州メルボルン当局は、コロナウイルス感染増加に伴い、6週間のロックダウンを再発出した。

ダニエル・アンドリュース州知事は、パンデミックが始まって以来最大となる191件の24時間当たり新規感染者(7月7日)を記録したため、ロックダウンを決断したと述べた。

また、同州と近隣のニューサウスウェールズ(NSW)州および南オーストラリア州の境界は、現地時間7日午前0時に閉鎖された。

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、7月7日時点のオーストラリアの累計感染者数は約8,800件、これまでに106人の死亡が確認された。なお、6月以降の新規感染のほとんどがビクトリア州で発生している。

アンドリュース州知事は記者団に対し、「ロックダウンが段階的に緩和されたことで、私たちは自己満足に陥り、コロナウイルスへの注意力を失ってしまった。今回の措置(6週間の再封鎖)を実施しなければ、かつてない危機がメルボルンを襲うだろう」と警告した。

オーストラリア政府は、2週間前にロックダウン規制をさらに緩和させている。

現在、同国の24時間当たり新規感染者は100件~200件の間で推移している。なお、ビクトリア州を除く他の州や都市でも新規ケースが数件ずつ報告されているが、感染はほぼコントロールできている。

再ロックダウンに伴い、500万人のメルボルン居住者たちは原則自宅待機を指示され、仕事、運動、食料などの生活必需品を購入する場合のみ、外出できる。

学校はオンライン授業に戻る。また、営業を再開したレストランなどの飲食店は、テイクアウト料理のみ提供可能。屋内、屋外を問わず、店舗での飲食は期間中禁止。

スーパーマーケットや美容院などは通常通り営業できる。ただし、政府のガイドラインに従い、社会的距離のルールやマスク着用などの感染予防対策を徹底しなければならない。

ロックダウンは、ビクトリア州メルボルン全域と北部ミッチェル・シャイア地域に適用される。なお、同州から近隣のNSW州と南オーストラリア州に移動する際は、必要な諸手続きを行ったうえで、州境の検問を通過しなければならない。

州境の検問所には軍隊と警察が駐留し、広大なエリアを無人航空機やヘリコプターなどでパトロールする。

2週間前、メルボルンの人々は感染者が増加し始めたことに不安を覚え、政府のガイドラインに従い行動してきた。しかし、新規ケースが191件に達し、今回の再ロックダウン発出に至った。

3月、政府は感染者数が増加し始めたことを受け、迅速かつ厳格なロックダウンを発出。結果、パンデミックの抑え込みに成功し、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長もオーストラリアの対応を手放しで称賛した。

今回の再ロックダウンは、ビクトリア州の一部にのみ適用される。限られた都市のみが苦しい立場に追いやられるため、国を挙げて街を盛り上げつつ、感染予防対策の徹底を呼び掛ける必要があるだろう。

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ボルソナロ大統領

7日、感染拡大の続くブラジルのボルソナロ極右大統領がコロナウイルスに感染した。

大統領は高熱などの症状に見舞わ、6日にPCR検査を受診。陽性であることが判明した。

ボルソナロ大統領はコロナウイルスを「症状の軽いインフルエンザ」と呼び、そのリスクを軽視したうえで、深刻な影響を受けることはないと繰り返し発言してきた。また、州政府が発出したロックダウンにも反対の立場をとり、経済活動に深刻な影響を与える「愚行」と述べ、各州知事に解除を求めている。

大統領は5日からウイルス感染の症状が現れ、高熱と咳が止まらず、気分が悪くなったと述べた。政府当局は翌6日に声明を発表、大統領の熱はあっという間に下がり、体調は回復しつつあるという。

ボルソナロ大統領は現在65歳。重篤化しやすい高齢者に分類されるため、適切な処置を受け、回復に努めるべきだろう。

ボルソナロ大統領のスポークスマンは、アメリカのドナルド・トランプ大統領が推奨する抗マラリア薬、「ヒドロキシクロロキン」および抗生物質の「アジスロマイシン」を服用したことで体調が良くなったと述べた。なお、両薬がコロナウイルス治療に有効であることは証明されていない。

現在、ボルソナロ大統領と濃厚接触した政府高官、スポークスマン、その他関係者の追跡およびPCR検査が実施されており、政権内でのクラスター発生を危惧する声も上がっている。

WHOのマイク・ライアン博士はボルソナロ大統領が感染したことを受け、「ブラジルの指導者が完全かつ迅速に回復することを望む。そして、コロナウイルスはありとあらゆる人に感染することを認識してほしい」と述べた。

4月、ボルソナロ大統領は欧州がパンデミックに破壊されている現状を見たうえで、「私は至って健康体である。コロナウイルスを心配する必要など全くない。皆、風邪やインフルエンザ程度の病気に大騒ぎしすぎだ」とコメントしている。

その後、ブラジルでも大規模なパンデミックが発生。巨大都市サンパウロやリオデジャネイロなどが一斉にロックダウンした。しかし、大都市の惨状を目にしたボルソナロ大統領は、「封鎖は街の経済に悪影響を与える。そして、最も害悪なのは、このウイルスを必要以上に危険視するメディアのプロパガンダである」と警告し、各州知事にロックダウンの解除を求めた。

ボルソナロ大統領の主な発言は以下の通り。

●3月11日:「コロナウイルスは軽いインフルエンザや風邪程度の病気である。私は多くの人々を殺した凶悪なウイルス(マラリア、エボラ、HIVなど)をたくさん知っている」

●3月18日:「ブラジルの熱帯性気候がコロナウイルスを封じ込めるだろう。私の国でパンデミックは起こらない。ウイルスは暖かい気候を好まないのだ」

●3月20日:「私はインフルエンザ程度のくだらないウイルスなど怖くないし、感染することもない」

以降、ボルソナロ大統領は州政府の要請したマスク着用義務化を拒否し、閉鎖されたビーチやスポーツイベント、バーなどの再開を求めてきた。

7月4日、ボルソナロ大統領はブラジリアの米国大使館で開催された独立記念日を祝うセレブレーションパーティに出席。その様子をエルネスト・アラウホ外相がツイッターに投稿している。なお、写真に写っている人々は誰一人マスクを着用しておらず、社会的距離も一切守っていない。当局は米国大使館内でクラスターが発生した可能性も含め、調査を進めている

今回の事態を受け、米国大使館はボルソナロ大統領ら高官たちと一緒に昼食を食べたと発表。PCR検査の結果、大使は陰性であることが判明した。

ブラジルの累計感染者数は167万人を超え、これまでに66,741人の死亡が確認されている。しかし、最大都市のサンパウロとリオデジャネイロでは、先週からバーとレストランが営業を再開し、街は人で溢れている。

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