◎秘密裁判は劣悪な環境で知られるチポテ刑務所内で行われた。
2018年5月18日/ニカラグア、首都マナグアで開催された全国対話、レスター・アレマン氏(Alfredo Zuniga/AP通信)

2月11日、ニカラグア政府は国家転覆を企てた罪で学生運動のリーダーとサンディニスタ民族解放戦線の元司令官に実刑判決を言い渡した。

サンディニスタ民族解放戦線は1960年代に誕生した主要な左翼政治運動のひとつで、1979年の革命後、政党になった。

独裁者のダニエル・オルテガ大統領に立ち向かった学生運動のリーダー、レスター・アレマン氏(24歳)は懲役13年、1978年の国家宮殿襲撃事件を指揮したドラ・マリア・テレス氏は懲役8年の実刑判決を言い渡された。

2人は昨年6月、オルテガ政権の一斉取り締まりで逮捕された数十人の野党関係者の一人だった。

アレマン氏の母親はAP通信の取材に対し、「息子は平和的な抗議を指揮し、刑務所に押し込まれた」と述べ、裁判を「茶番」と呼んだ。「息子はテロリストではありません...」

アレマン氏は政府に対する大規模な抗議デモが始まった2018年にニカラグア大学連合を創設した。検察はアレマン氏が2018年に行われた全国対話の中でオルテガ大統領に降伏を促し、国家転覆を企てたと主張した。

アレマン氏は演説の中でオルテガ大統領に退陣を求め、「あきらめろ」と言ったが、ニカラグア大学連合の抗議デモは平和的だったと伝えられている。

ニカラグア大学連合は10日の声明で判決を「オルテガの復讐」と呼んだ。

AP通信によると、アレマン氏は2018年9月にニカラグアを脱出し、1年後に帰国したという。逮捕時の状況は明らかにされていないが、連合によると、昨年11月の総選挙に関連する活動を行っていたという。

テレス氏は1979年の第1次オルテガ政権で保健相を務めたが、オルテガ大統領が独裁体制を確立したことに嫌気がさし、サンディニスタ改革運動(現在の民主改革連合)を立ち上げた。

秘密裁判は劣悪な環境で知られるチポテ刑務所内で行われた。報道によると、被告の弁護士は立ち合いのみ許可されたという。

オルテガ大統領は昨年11月の大統領選で有効票の75%以上を獲得したと主張し、議会選挙もオルテガ大統領のサンディニスタ民族解放戦線が92議席中90議席を獲得し、圧勝したと信じられている。米国とEUは選挙結果を却下し、公正な選挙と野党指導者の釈放を求めている。

オルテガ大統領は総選挙に先立ち、主要な大統領候補7人を反逆罪に相当する容疑で刑務所に送り、アレマン氏とテレス氏を含む野党関係者20人も合わせて逮捕した。

ニカラグアの治安部隊は2018年の抗議デモを暴力的に鎮圧し、300人近くを殺害したと伝えられている。

2018年9月5日/ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領と妻のロサリオ・ムリーリョ副大統領(Alfredo Zuniga/AP通信)
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