◎66歳の誕生日を迎えたボルソナロ大統領は支持者に充てたメッセージの中で、政府はできる限りのコロナ対策を行ったとアピールし、「経済を再開する時が来ました」と語った。
3月21日、ブラジルのジャイール・ボルソナロ大統領はコロナウイルスの感染拡大を抑え込むために封鎖制限を課した州知事および市長を「暴君」と呼び、非難した。
この日66歳の誕生日を迎えたボルソナロ大統領は支持者に充てたメッセージの中で、政府はできる限りのコロナ対策を行ったとアピールし、「経済を再開する時が来ました」と語った。
保健当局は先週、国内の感染状況と医療体制について、「ブラジルの医療システムは崩壊の危機に瀕しています」と警告していた。
保健当局によると、集中治療室(ICU)の占有率はほぼ全ての州で80%を上回っているという。
66歳になったボルソナロ大統領は州政府の検疫措置に反対し続けており、経済に与える影響はコロナ被害より深刻と繰り返し主張してきた。
一方、保健省は21日の声明で、1回目のコロナワクチン投与を終えた市民のために準備しているワクチンの予約を取り消すと発表した。
AFP通信によると、エドゥアルド・パズエロ保健相は、「できるだけ多くの人に1回目のワクチンを提供するための措置」と述べたという。
ブラジルが使用を許可したワクチンは英アストラゼネカと中国のシノバックのみ。どちらも2回接種タイプであり、展開は思うように進んでいない。政府はファイザー、J&J、スプトーニクVワクチンも注文している。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、ブラジルの累計感染者数は3月21日時点で約1,200万件、累計死亡者は29.4万人以上。3月20日の新規陽性者数は79,069件、死亡者は2,438人、過去7日間の死亡者数の平均は2,200人を上回っている。
保健当局によると、ここ数週間の感染急拡大は、アマゾンの都市マナウスで発生したと考えられている変異種の蔓延によるものだという。
研究機関フィオクルス財団(Fiocruz)は報告の中で、27州のうち25州の集中治療室の占有率が80%を超えていると述べた。また、南部リオグランデ・ド・スル州の占有率は100%に達し、重症者の受け入れを停止しているという。
フィオクルス財団は、「ブラジルの病院と医療サービスは崩壊の危機に瀕しています」と述べた。
「専門家たちは症例数、死亡数、ICUの占有率を下げるためには、市民の活動を制限する厳格な措置と、強力な感染予防対策の採用が必要と述べています。社会的距離を確保し、マスクを着用し、そしてワクチンの接種を加速させなければなりません」