◎計15人に恩赦を与え、5人の判決の一部または全部を減刑した。
◎トランプ大統領は個人的または政治的つながりの深い者に恩赦を与えるクセがある
12月22日、トランプ大統領は現政権と関係の深い物議を醸す者たちに恩赦と減刑を与えた。
元トランプキャンペーンの補佐官、ジョージ・パパドプロス氏は赦された。
金融犯罪で有罪判決を受けた元共和党議員、ダンカン・ハンター氏とクリス・コリンズ氏も無事赦された。
2007年に非武装のイラク人17人を射殺した元ブラックウォーターUSA(民間軍事請負会社)の4人もトランプ大統領から赦しを得た。
トランプ大統領は計15人に恩赦を与え、5人の判決の一部または全部を減刑した。なお、ロシア疑惑で連邦捜査局(FBI)に虚偽の供述をしたマイケル・フリン元中将も先月末に赦されている。
<恩赦と減刑の実績>
・オバマ前大統領:恩赦212件、減刑1,715件
・トランプ大統領:約40件
※トランプ大統領は個人的または政治的つながりの深い者に恩赦を与えるクセがある。
ダンカン・ハンター元下院議員は、選挙のための寄付金、約25万ドルを悪用(家族旅行や口腔手術などに使用)した罪に問われ、2019年12月に1件の罪を認めた。
今年3月、裁判所はハンター氏に懲役11カ月を言い渡した。なお、ハンター氏は一連の調査を「魔女狩り」と呼び、他の共和党議員も同じことをやっていると示唆した。
元ニューヨーク下院議員のクリス・コリンズ氏は、オーストラリアのバイオテクノロジー企業、INNMに関連するインサイダー取引の疑いで2018年8月に起訴された。
コリンズ氏は同社の非公開情報を息子に伝え、株価が暴落する前に持ち株を売り払い、57万ドル以上の損失を回避したと伝えられている。
その後、コリンズ氏、息子のキャメロン氏、キャメロン氏の婚約者の父親であるスティーブン・ザルスキー氏は、インサイダー取引の容疑で逮捕された。
コリンズ氏は懲役26カ月の実刑を言い渡され、今年10月、刑務所に入所した。
元トランプキャンペーンの補佐官、ジョージ・パパドプロス氏は、2016年大統領選挙におけるロシアとの疑惑を調査したFBIに虚偽の供述をした罪で、2018年に懲役14日の有罪判決を受けた。
パパドプロス氏は判決後、「ひどい間違い、私はいい人だ」と述べた。
その後、刑期が短かったことに安心したパパドプロス氏はトランプ大統領の逮捕に全力を挙げたロバート・ミューラー特別検察官の捜査について、「大統領への攻撃は反逆罪に等しい愚かな行為」と非難した。
パパドプロス氏は22日のABCニュースのインタビューで、「恩赦は究極のクリスマスプレゼント」と語った。
ジョージ・パパドプロス氏:
「家族、関係者、そして、汚名を晴らしてくれたトランプ大統領に感謝している」
ブラックウォーターUSA(民間軍事請負会社)の4人は減刑を獲得し、イラク戦争で最もスキャンダラスな事件の刑期を終えた。
2007年、4人はイラクの首都バクダッドで非武装のイラク人17人を射殺し、人権団体からの猛抗議と、紛争地帯における民間軍事請負会社の使用についての議論を巻き起こした。
ブラックウォーターUSAの創設者、エリック・プリンス氏はベッツィ・デヴォス教育長官の弟であり、トランプ大統領をサポートする熱心なロビイストのひとりでもある。