◎アメリカの主要メディアは、「トランプ大統領は戒厳令発動の可能性について検討している」と一斉に報じた。
◎トランプ大統領はメディアの報道を「フェイクニュース」と却下している。
12月20日、アメリカの主要メディアは、選挙結果を覆したいトランプ大統領と「クラーケンを解放した」陰謀論者のシドニー・パウエル弁護士が12月18日に会談したと一斉に報じた。
ABCニュースは「パウエルがトランプに焦土作戦を実行するよう促した」と報じ、CNNニュースは「共和党支持者の炎を扇動する愚かな行為」と却下した。
ジョー・バイデン氏の就任まであと1カ月。反抗的なトランプ大統領は連日ツイッターで支持者を煽り、証拠を提供することなく「民主党は不正選挙で勝利した」「選挙管理委員会は不正を隠蔽している」などとツイートし続けている。
しかし、ホワイトハウスで開催されたと伝えられている「熱狂的な会合」で議論された「戒厳令発動の可能性」はあまりに危険な計画であり、一部のホワイトハウス当局者も警鐘を鳴らした。
トランプ大統領に赦されたマイケル・フリン元中将は先週、右翼テレビネットワーク「マックスニュース」の中で、「大統領は軍事力を利用できる。軍を各州に配置し、再選挙を行えばいい」と戒厳令発動の可能性について言及し、18日の会合に特別ゲストとして招待された。
一方、トランプ大統領は20日のツイートで戒厳令を計画しているというメディアの報道を「フェイクニュース」と却下した。
しかし、ABCニュースは情報筋から得た情報の信ぴょう性は高いと報じ、マーク・メドウズ首席補佐官、パット・チポロン顧問などは、トランプ大統領に会合を行わないよう忠告したと述べている。
同じくCNNニュースも2人の情報筋から会合の情報を得たと伝えている。なお、トランプ大統領が戒厳令やパウエル弁護士の「焦土作戦」を支持したかどうかは不明である。、
Martial law = Fake News. Just more knowingly bad reporting!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) December 20, 2020
トランプ大統領、パウエル弁護士、赦されたフリン元中将は選挙の不正と詐欺をしつこく訴え続け、共和党支持者の憎悪と怒りを煽っている。
一部の批評家は、極右集団プラウド・ボーイズやネオナチなどの危険な思想を持つ者たちが戒厳令計画に触発され、何かしらの行動を起こすかもしれないと指摘している。
トランプ大統領の下で国土安全保障長官を務めたエリザベス・ノイマン氏はCNNニュースの取材に対し、「大統領を支持する陰謀的かつ保守的な支持層は、戒厳令を発動するために、内戦などを起こして反乱法の発動を促す可能性もある」と述べた。
エリザベス・ノイマン氏:
「暴力的な過激主義グループはトランプ大統領の合図で一斉に動き出す。内戦を引き起こせば、反乱法からの戒厳令もあり得る」
「暴力的な過激主義グループ、特に白人至上主義者は政府の転覆を狙っている。これらのグループは、戦争状態になれば大統領は戒厳令を発動すると信じ、混乱を加速させることを目指している」
「私たちは、反乱法の発動を正当化する過激主義グループの危険な行動を目にするかもしれない」