◎アルメニア軍の攻撃でアゼルバイジャン軍の兵士4人が死亡。
12月13日、アゼルバイジャンの国防省はアルメニア軍の攻撃で兵士4人が殺害されたと発表した。
アゼルバイジャンとアルメニアはロシアの仲介を受け、11月10日に和平協定に合意した。しかし、ナゴルノ・カラバフ地域での紛争は再燃し、報復合戦が始まりつつある。
一方、アルメニア政府はアゼルバイジャン軍の「軍事攻撃」で兵士6人が負傷したと主張している。
アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領は12日の演説で、「衝突の原因はアルメニアにある」と述べ、「鉄の拳で頭を破壊する」と脅した。
ナゴルノ・カラバフをめぐる最新の紛争は9月末に始まり、両軍合わせて約5,000人が死亡した。
また、民間人数百人が犠牲になり、都市のインフラや建物も大きな被害を受けた。
和平協定はアゼルバイジャン市民に喜びをもたらしたが、アルメニア市民には屈辱を与えた。
和平協定(11月10日01:00発効)
・アゼルバイジャンは、紛争中に奪取したナゴルノ・カラバフの一部地域を保持。
・アルメニアはナゴルノ・カラバフのいくつかの地域から撤退する。
・ロシアの平和維持軍1,960人を最前線に配備し、違法行為を防ぐ。
・トルコの平和維持軍も監視プロセスに加わる。
・ナゴルノ・カラバフの「解放エリア」にロシアとトルコの統制センターを設置する。
ナゴルノ・カラバフについて知っておくべきこと
・2020年12月12日、アルメニアとアゼルバイジャン当局、ナゴルノ・カラバフ紛争の和平協定に違反したとお互いを非難。
・2020年12月5日、アルメニア、ニコル・パシニャン首相の辞任を求める大規模な抗議活動が行われる。
・2020年12月1日、アゼルバイジャン政府、アルメニア軍から取り戻したナゴルノ・カラバフの一部地域の開拓を完了したと宣言。
・2020年11月16日、トルコ議会、アゼルバイジャンとアルメニアの和平協定を監視する平和維持軍派遣を承認。
・2020年11月16日、アルメニアのゾラブ・ムナサカニャン外相、辞任。
・2020年11月11日、アルメニア市民がアゼルバイジャンとの和平協定に抗議。国会を占領し、首相の辞任を求めた。
・2020年11月9日、アルメニア、アゼルバイジャン、ロシアがナゴルノ・カラバフの紛争を終結させる和平協定に調印。
・2020年11月9日、アゼルバイジャンの領土であるナヒチェヴァン自治共和国付近を飛行していたロシアの軍用ヘリ「Miー24」がミサイル攻撃を受け墜落。アゼルバイジャンはロシアに対し、誤った撃墜したと謝罪した。
・2020年11月8日、アゼルバイジャン軍がナゴルノ・カラバフの戦略的に重要な町、シュシャをアルメニア軍から奪取。
・2020年11月、中東の過激派勢力2,000人が紛争に加わったと伝えられている。アルメニアはアゼルバイジャンの同盟国、トルコが関与したと非難。
・2020年10月28日、アゼルバイジャンのバルダ県への空爆(クラスター爆弾)で民間人21人が死亡。
・2020年10月25日、アメリカの仲介による停戦合意が破綻。戦闘再開。
・2020年10月25日、アメリカの仲介でアルメニアとアゼルバイジャンが停戦に合意。
・ロシアのプーチン大統領によると、9月末からの戦闘で少なくとも5,000人が死亡。.
・2020年10月17日。10月9日の停戦合意は破綻し、民間人13人が死亡、40人以上が負傷した。
・約4,400平方キロメートルの山岳地帯。
・キリスト教のアルメニア人とイスラム教徒のトルコ人が生活していた。
・ソビエト連邦時代、ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャンの自治区に加えられた。
・公式にはアゼルバイジャンの領土と認められているが、人口の大部分はアルメニア人で構成されている。
・現在、ナゴルノ・カラバフは分離主義勢力(自称当局)に占領されている。
・ナゴルノ・カラバフの大統領(自称)はアライク・ハルチュニヤン。
・自称当局は、アルメニアを含む全ての国連加盟国に認められていない。
・1988年から1994年の紛争で約3万人が死亡、推定100万人が避難を余儀なくされた。
・1994年の停戦合意後も膠着状態は続いていた。
・アルメニアは分離主義勢力(自称当局)を認めていない。
・アゼルバイジャンは「分離主義勢力=アルメニア軍」と認識している。
・トルコはアゼルバイジャンを積極的に支援している。
・ロシアはアルメニアに軍事基地を持っている。