12月1日、アゼルバイジャン政府はアルメニア軍に占領されていたナゴルノ・カラバフの開拓を完了したと発表した。

アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領は、「歴史的な勝利」で占領地の奪還と回復を達成できたと述べた。

ナゴルノ・カラバフは公式にはアゼルバイジャンの領土と認められているが、1994年に一時的に停戦したアルメニアとの紛争以来、アルメニア民族軍の支配下に置かれていた。

9月27日に始まった44日間の激しい戦闘で、アゼルバイジャン軍はナゴルノ・カラバフの中枢エリアまで侵攻。アルメニアはロシアの仲介で11月10日に発効された和平協定を受け入れざるを得なかった。

和平協定(11月10日01:00発効)

アゼルバイジャンは、紛争中に奪取したナゴルノ・カラバフの一部地域を保持

・アルメニアは今後数週間の間に、ナゴルノ・カラバフのいくつかの地域から撤退する

・ロシアの平和維持軍1,960人を最前線に配備し、違法行為を防ぐ。

・トルコの平和維持軍も監視プロセスに加わる。

・ナゴルノ・カラバフの「解放エリア」にロシアとトルコの統制センターを設置する。

2020年11月18日 AP通信/ナゴルノ・カラバフ

アリエフ大統領は演説の中で、「私たちは皆、一つの夢を持って生き、それを実現した。戦場と政治の場で勝利を収め、その勝利は私たちの国に新しい時代を開く。開発、セキュリティ、進歩の時代になるだろう」と語った。

イルハム・アリエフ大統領:
私たちはアゼルバイジャンの領土を支配者から取り戻した。アゼルバイジャンの市民は廃墟となった都市や村を再建するためにあらゆることをする。私たちは偉大で誇り高いナゴルノ・カラバフと共に生きてゆく

アゼルバイジャン当局によると、1カ月半の紛争で民間人94人が死亡し、400人以上が負傷したという。

一方、アルメニアの保健大臣は先月、少なくとも2,425人のアルメニア軍人が戦死し、その多くの身元をまだ特定できていないと述べた。

アゼルバイジャンを強力に支援したトルコは、同地域周辺での影響力を拡大した。

12月1日、ロシアとトルコの軍当局者は、和平協定の履行を監視する共同監視センター設立の文書に署名した。

アゼルバイジャンの市民は和平協定を勝利として祝ったが、アルメニアでは大規模な抗議行動を引き起こし、数千人が首都エレバンの街路でニコル・パシニャン首相の辞任を要求した。

現地の治安を取り仕切るロシアの平和維持軍によると、25,000人以上のアルメニア市民がナゴルノ・カラバフに戻ってきたという。

アリエフ大統領は紛争終結を強調したうえで、「アゼルバイジャンはナゴルノ・カラバフの全ての居住者を市民と見なし、彼らの幸福とインフラを確保する」と述べた。

アルメニア民族軍はナゴルノ・カラバフの支配権を放棄したため、アゼルバイジャン市民も領土内に戻りつつある。

一方、同地で生活していたアルメニア人の一部は自宅を焼き払い、新天地を求めアルメニアに移住した。

アルメニア政府はナゴルノ・カラバフに残った自国民を捕虜と見なし、アゼルバイジャン政府の虐待を指摘している。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は12月1日に声明で、「捕虜解放を妨げる困難が解決することを願っている」と述べた。

ナゴルノ・カラバフについて知っておくべきこと

・2020年11月16日、トルコ議会、アゼルバイジャンとアルメニアの和平協定を監視する平和維持軍派遣を承認

・2020年11月16日、アルメニアのゾラブ・ムナサカニャン外相、辞任。

・2020年11月11日、アルメニア市民がアゼルバイジャンとの和平協定に抗議。国会を占領し、首相の辞任を求めた。

・2020年11月9日、アルメニア、アゼルバイジャン、ロシアがナゴルノ・カラバフの紛争を終結させる和平協定に調印

・2020年11月9日、アゼルバイジャンの領土であるナヒチェヴァン自治共和国付近を飛行していたロシアの軍用ヘリ「Miー24」がミサイル攻撃を受け墜落。アゼルバイジャンはロシアに対し、誤った撃墜したと謝罪した。

・2020年11月8日、アゼルバイジャン軍がナゴルノ・カラバフの戦略的に重要な町、シュシャをアルメニア軍から奪取。

・2020年11月、中東の過激派勢力2,000人が紛争に加わったと伝えられている。アルメニアはアゼルバイジャンの同盟国、トルコが関与したと非難。

・2020年10月28日、アゼルバイジャンのバルダ県への空爆(クラスター爆弾)で民間人21人が死亡。

・2020年10月25日、アメリカの仲介による停戦合意が破綻。戦闘再開。

2020年10月25日、アメリカの仲介でアルメニアとアゼルバイジャンが停戦に合意

ロシアのプーチン大統領によると、9月末からの戦闘で少なくとも5,000人が死亡。.

2020年10月17日。10月9日の停戦合意は破綻し、民間人13人が死亡、40人以上が負傷した。

・約4,400平方キロメートルの山岳地帯。

・キリスト教のアルメニア人とイスラム教徒のトルコ人が生活していた。

・ソビエト連邦時代、ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャンの自治区に加えられた。

公式にはアゼルバイジャンの領土と認められているが、人口の大部分はアルメニア人で構成されている

・現在、ナゴルノ・カラバフは分離主義勢力(自称当局)に占領されている。

・ナゴルノ・カラバフの大統領(自称)はアライク・ハルチュニヤン。

自称当局は、アルメニアを含む全ての国連加盟国に認められていない

・1988年から1994年の紛争で約3万人が死亡、推定100万人が避難を余儀なくされた。

・1994年の停戦合意後も膠着状態は続いていた。

・アルメニアは分離主義勢力(自称当局)を認めていない。

・アゼルバイジャンは「分離主義勢力=アルメニア軍」と認識している。

・トルコはアゼルバイジャンを積極的に支援している。

・ロシアはアルメニアに軍事基地を持っている。

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