「独占するなよ」と米国議会は言う
7月29日、アメリカが生んだテクノロジー界の巨人たちが米国議会に証言および関連資料を提出した。
マーク・ザッカーバーグ(Facebook)、サンダー・ピチャイ(Google)、ティム・クック(Apple)、ジェフ・ベゾス(Amazon)は、まな板の鯉になり、間もなく料理される。
世界で最も裕福なベゾス氏は、生まれて初めて議会に召集された。なお、4人の巨人たちが一堂に会しクイズ(質問)にさらされることは、これまで一度もなかった。
巨人を束ねるCEOたちは、これから彼らの前に立ちはだかる問題を精査し、政府との関係を構築しなければならない。一歩間違えれば、独占が失われる可能性もある。
なぜGAFAは料理されるのか。理由は彼らが大きくなり過ぎたためである。
コロナウイルスの登場により、地球は酷く疲弊した。しかし、ありとあらゆる企業がボロボロになっていく中でも巨人たちは繁栄し続けている。
GAFAの企業価値は約5兆ドル(約525兆円)、米連邦準備理事会(FRB)の総資産に匹敵する。アメリカを象徴する黙示録の四騎士たちは利益を独占し、苦しむ人々の注目を集め、それを激しく非難する者たちが現れた。
GAFAが抱える苦情(非難)数は不明である。星の数ほどあることは確かだろう。
マーク・ザッカーバーグCEOはプレス発表の中で、「私たちは、競争と革新を奨励するアメリカの法律があったからこそ成功できた」とアメリカンウェイの重要性を説いた。
ザッカーバーグCEOは、テクノロジー企業の規模と知覚力の巨大化に対する政府および規制当局の”取り締まり”強化、インターネットルールのコロナ時代仕様への変化を認めている。
ジェフ・ベゾスCEOは、開会の辞を議会に提出した。
「顧客へのこだわりが私たちを作り、これまで以上に大きなことを実現できるようになった。社員が10人だった時代にできることは限られていた。それが1,000人、10,000人を超え、100万人近くに達し、できることが増えた。私はAmazonが正しく精査されると信じている。企業、政府機関、非営利団体、全ての機関は精査されなければならない」
米国議会は、強大過ぎるインターネットのユーティリティをGAFAが独占、所有していることに長い間注目し続けてきた。GAFAは支配者としての立場を利用し、他者(他社)からみかじめ料を搾取している、と考えたのである。
Amazonは、自社の製品を他の製品よりも頻繁に宣伝し、批判されている。
AppleとGoogleは、IOSとAndroid、ほとんど全てのスマートフォンのオペレーティングシステムを所有している。この2社が市場を独占しているため、どのアプリにOKを出すか、誰がゲームをプレイすべきかは、彼らの意のままである。そして、2社は支配者として最も都合のよい料金を設定している。
Googleは絶対的なパワーを持つ検索エンジンを使用し、競合他社の稚拙な検索システムを叩き伏せた、と非難されたことがある。しかし、今、インターネットで何かを検索する時、Googleの力に頼らない人は少ない。
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GAFAが独占禁止法問題に直面
GAFAは料理される?
GAFAのプラットフォームは、彼らが努力の末に構築したものである。
GAFAと同じように成功したい、と考える競合他社は、彼らのアイデアをコピーした。しかし、その大半がビジネスに行き詰まり、企業としては存続できているものの、結局はGAFAの食いものにされてしまった。競合他社は負けたのである。
規制当局および関係機関は、インターネットの独占をどのように改善すべきか考えてきた。
独占禁止法は消費者価格に焦点を合わせている。消費者が支配的な力による競争力不足で不利益を被る、お金を無駄に払っていると認められた時、GAFAは「独占、カルテル」の罪に問われ、まな板の上で解体される。
20世紀初頭、アメリカの反トラスト法は価格を不当に押し上げていると非難された。スタンダードオイル社や鉄道会社などは、支配的な地位を利用し、消費者を食いものにしたのである。
しかし、これをGAFAに適用、証明することは非常に難しい。
Facebook、Instagram、WhatsAppは無料である。Amazonは競合他社を打ち負かすために、敢えて価格を引き下げる。Googleの検索エンジンは無料で好きなだけ利用できる。YouTubeも無料。AppleのiPhoneアプリは無料でダウンロードできるものが多々ある。
専門家たちは、これらの支配的な無料システムが中小企業を消し去り、他のビジネスを殺していると主張する。GAFAが他者(他社)を叩き伏せることで経済に損失を与えていると考え、彼らの独占を解消したいと考えた。
反トラスト運動家たちは、公聴会が始まる以前の戦いに敗れている。彼らはGAFAを1社ずつ呼び出し、まな板の上で解体したかったが、それは叶わなかった。
先週、アメリカ経済自由主義プロジェクトのサラ・ミラー氏はBBCの取材の対し、「私たちは、彼らがお互いを盾にして後ろに隠れる、と分かっていた。1社ずつ個室に呼び出せば、それを防げる」と述べていた。
しかし、GAFAはまとめて招集されることになり、個別クッキングは実現しなかった。
今回はトピック外の質問にも注目が集まる、と予想されている。ザッカーバーグ氏は広告ボイコットの渦中にいる。人種差別、それを助長する投稿やコンテンツの削除(制限)が遅すぎると批判され、人々だけでなくスポンサーからも攻撃を受けた。
11月の大統領選挙も公聴会に大きな影響を与える。民主党員はGAFAの独占状態に難色を示しているが、保守的な共和党員は企業の利益と国民の支持を天秤にかけ、最善の落としどころを探している。
GAFAはアメリカの発展に貢献してきた。彼らの首を絞め上げれば、国の利益に甚大な影響を与えるだろう。しかし、世論がGAFAに懐疑的な目を向けているため、放置すれば大統領選挙に影響する。
中国の横やりも考慮しなければならない。TikTokやHuaweiがトランプ大統領の怒りを集めていることは周知の事実である。これの防御策として、「GAFAを一度料理し、アメリカの規制を適用したうえで、中国のハイテク企業を叩き伏せる」というプランが実行されるかもしれない。
公聴会は現在進行中である。委員会を率いる民主党のデービッド・シシリーン下院議員は、1年に渡る調査の結果、GAFAの虐待攻撃パターンが明らかになったと述べ、「支配的なプラットフォームは、圧倒的な力で競合他社を破壊している」と付け加えた。
米国議会は、世界のパワーバランス調整と超大国アメリカによる完全なる世界征服、大統領選挙、中国を叩き伏せるために、より厳しい技術規制を実行に移そうとしている。
Apple, Amazon, Facebook, Google defend firms against calls for break-up https://t.co/I2pHeV9Kum
— Sweet Tea (@LaurenSexyGirl) July 29, 2020