◎昨夏の洪水被災者は2000万人に達し、3300万人が避難を余儀なくされ、国土の3分の1が冠水被害に見舞われた。
パキスタン政府は11日、国際社会が昨夏の大洪水の復興支援として97億ドルの財政支援を約束してくれたと発表した。
シャリフ(Shahbaz Sharif)首相は国連のグテレス(António Guterres)事務総長が今週主催した会議の中で「パキスタン人を助けるために奮戦してくれた」と謝意を表明した。
グテレス氏はスイス西部ジュネーブの国連欧州本部で9日にパキスタンを支援する会議を主催した。
シャリフ氏は記者会見で「独立した監視機関の下、財政支援を公正かつ適切に使用する」と約束し、政府は昨夏のような大洪水を防ぐ取り組みを進めると述べた。
パキスタン国家防災管理庁(NDMA)によると、洪水被災者は2000万人に達し、3300万人が避難を余儀なくされたという。死者は1739人と報告され、国土の3分の1が冠水被害に見舞われた。
被害を受けた家屋は200万戸以上と推定され、被害総額は400億ドルと見積もられている。
シャリフ氏は以前、復興には少なくとも163億ドルもの予算が必要で、その半分は国費で賄うと述べていた。
シャリフ氏は会見の中で、「ジュネーブ会議の反響は予想を大きく上回っていた」と語った。
シャリフ氏によると、サウジアラビア政府がパキスタン中央銀行に信託財産として20億ドルを預けるだけでなく、100億ドルを投資すると示唆したという。
アナリストもサウジ政府の投資が復興を後押しすると期待を表明している。
シャリフ氏は12日にUAE(アラブ首長国連邦)を公式訪問する予定だ。
国連会議に参加する政府、国際機関、その他の支援者は巨額の寄付を約束することが多々あるが、約束が必ず守られるとは限らない。
NDMAによると、まだ多くの被災者が屋外でテント生活を送っているという。
パキスタンの二酸化炭素排出量は世界の総排出量の1%に満たない。