◎ビザ問題は8月31日のEU外相会合で提起される予定。
ドイツのショルツ(Olaf Scholz)首相は15日、一部のEU加盟国がロシア人観光客へのビザ発行停止を求めていることについて、ドイツは応じないという姿勢を示した。
ロシア人観光客の入国禁止を支持する国々は、ロシア軍がウクライナに侵攻しているにもかかわらず、ロシア人が欧州で休暇を満喫するのはおかしいと主張している。
フィンランドとデンマークはEU全加盟国にビザ発行停止を求めている。なお、ロシアと国境を接するいくつかの国はすでにビザを発行していない。
ショルツ氏は北欧5カ国首脳会議の共同記者会見で、「ウクライナ侵攻はロシア人の戦争ではなく、プーチン大統領の戦争である」と語った。
またショルツ氏は、プーチン政権に反対してロシアから逃げ出す人々が大勢いることを理解しなければならないと指摘した。「ロシアの体制に反対する人々を難しい状況に追いやるべきではありません...」
ビザ問題は8月31日のEU外相会合で提起される予定。
フィンランドのマリン(Sanna Marin)首相は記者団に対し、「入国禁止を支持するが、議論しなければならないだろう」と述べた。
EUの執行機関である欧州委員会はウクライナ侵攻後まもなく、ロシア便の圏内飛行を禁止した。しかし、ロシア人はまだ近隣のEU諸国に陸路で移動することができ、そこから他の目的地へ飛行機で移動している。
EU22カ国とアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスの26カ国からなる「シェンゲン圏」のビザを取得すれば、国境検査を受けずに圏内を自由に行き来できるようになる。また、ロシアを含むシェンゲン協定加盟国以外の19カ国もシェンゲン・ビザを取得できる。
ラトビアはすでにロシア人への観光ビザ発効を禁じている。ウクライナと国境を接するポーランドは先週、ロシア人に対する観光ビザ発行を停止すると発表した。