検査体制を充実させたい各国政府の思惑

アメリカ

6日、ホワイトハウス報道官のケイリー・マケナニー氏は、これまでに750万件のPCR検査を実施したと発表。

記者たちに、なぜまだ多くのアメリカ人が検査を受けられないのか尋ねられると、「医療従事者の負担を考慮したうえで、全国民が検査を受け、陽性と陰性を判別できればベストであろう。しかし、陰性の者が1時間後にコロナウイルスに感染すれば、再び再テストを行わねばならない。必要と判断した者だけ行った結果が今である」と述べた。

全国民を”一斉に”検査するという考えは愚門である。しかし、検査体制の拡充はパンデミックを防ぐうえで欠かせない対策のひとつだ。もちろん、最前線で奮闘する医療従事者の負担も考えねばならない。

マケナニー氏が発表した重要事項
コロナウイルス対策本部の維持をトランプ大統領が承認
●中国の初動対応が遅れたことを改めて批判。ウイルスの起源、中国が発生源である証拠に関してはノーコメント
●中小企業向け支援予算(第二弾)の執行が1,810億ドル(約19兆円)を突破

以下、トランプ大統領の記者会見(5月5日)
●コロナウイルス対策本部の無期限継続を発表。一昨日の解散発言を取り消した。なお、感染状況等に応じて、本部への増員、人員削減を行うとのこと。

アイスランド

アイスランドはコロナウイルスの感染拡大をほぼ排除したと言えそうだ。この1週間で確認された感染者は2名、患者の97%は回復した。

同国の疫学者であるトロルファー・ガドナソン氏は、「これほど早くパンデミックが減速するとは思っていなかった。しかし、第二波発生のリスクを最小限に抑える対策、警戒が引き続き必要になるだろう」と述べた。

人口約330,000人の同国は、PCR検査の体制拡充に努め、希望する者は誰でもそれを受けることができる。

イギリス

イギリス政府は1日あたり100,000件のPCR検査を目標にしているが、4日連続で達成できなかったと発表した。5月6日の件数は69,463件、ここ1週間で最も少なかった。

この目標をロックダウン解除の重要対策と位置付ける政府は、体制の充実を図るべく支援を強化している。しかし、現場は感染者の対応に苦慮し、また、日々感染者数および死者数が増加しているため、目標値の達成は非常に難しいと言わざるを得ない。

検査数の中には、当日採取された検体以外の実績も含まれている。なお、ジョンソン首相は以前、5月末までに1日当たりのPCR検査数200,000件を達成したいと述べている。

ジョンソン首相の記者会見とイギリスの現状(5月5日)
●老人ホーム、介護施設での感染拡大を「後悔している」と述べた
ロックダウンの緩和措置および方法は、来週月曜日に発表する予定
●スコットランドの1日当たりの感染者数が初めて減少
●ヒースロー空港、出発ゲートでの検温を義務化
●同国のシンクタンク、パンデミックによる若者の失業者数が64万人に達する見込みと発表
●オンライン小売業は、ロックダウンの最中に需要が急増。その後、少しずつ普通の状態に戻りつつあるという。
英国全体の死者数が30,000人を突破

世界

●欧州のいくつかの国でロックダウンの段階的な緩和が実施されている。ドイツ政府は無観客等の条件を遵守したうえで、ンデスリーガの再開を承認。関連する小売店も営業を再開する。
●WHO、東ヨーロッパ、アフリカ、東南アジア、東地中海、南北アメリカで感染者が増加していると指摘。ロックダウンの解除は慎重に検討すべきと警告した。
●国際看護師協議会(ICN)、約90,000人の医療従事者がコロナウイルスに感染したと述べた。
●インド、約1億2,200万人が失業。
●Uber社、契約者の14%を解雇する予定(世界全体)。
●イギリス、酪農家1軒あたり12,000ドル(約130万円)を支援すると発表
●アメリカ、感染者数が120万人を超え、72,600人以上が死亡した(6日時点)

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