過去24時間で感染者数が10,633人増加

3日、ロシア国内の1日の感染者数が過去最高となる10,633人を記録、58人が死亡した。この増加分を含めると、同国の感染者数は130,000人を超えた。

累計死者数は1,280人。ただし、死亡率に関しては、アメリカ、イギリス、スペインなどと比較しても低い状態を維持している。

同国内で特に感染が深刻な首都モスクワは、病床数を超える患者の対応に苦慮している。2日に記者会見を行ったセルゲイ・ソビャニン市長は、「感染症予防対策を徹底し、決して油断しないこと。モスクワのピークはこれからやってくる。もちろん、状況が良くなっていると分かった時点で制限を緩和するが、それを実現するためには勇気と忍耐が必要だ。最も大切なものは国民の命である」と市民に警告した。

モスクワでは厳格なロックダウン措置が課されており、約1,200万人の市民はいくつかの例外を除き、自宅での待機を余儀なくされている。首都の現状を受けプーチン大統領は、「非常に深刻な状況、さらなるパンデミックを阻止するためには、徹底した感染予防対策が必要である」と述べた。

4月30日、同国首相のミハイル・ミシュスティン氏がコロナウイルスに感染。関係者によると、クレムリン内の感染予防対策レベルが1段階引き上げられたという。

現在、ミシュスティン首相は専門の病院で治療を受けている。同氏のスポークスマンは、「会話も問題なく行える状態、テレビ会議システムを使い、職務を続行できる」と述べた。

感染者数の大幅な増加

ロシアの感染者数は毎日確実に増加しており、当局はこの事態を「検査体制が拡充され、さらにPCR検査数が大幅に増加したため」と発表した。モスクワだけで1日40,000件以上のPCR検査が実施されている。

当局はまた、新規感染者の約半数が「症状の出ていない者」であると述べた。

コロナウイルスは同国全土に広がりつつある。また、医療体制の充実している首都モスクワと違い、地方都市は病床、必要な医療機器、マスクや防護服集めに苦労しており、医療関係者の不満が高まっているという。

そして既に述べた通り、モスクワですら医療体制は逼迫(ひっぱく)、毎日約1,700人が病院に運び込まれ、負担は増加し続けている。なお、プーチン大統領は医療関係者を保護するための医療キットが不足していることを認め、体制の拡充を進めると述べた。

またプーチン大統領は、全土を対象とするロックダウンの期間を5月11日まで延長すると発表。「感染のピークはこれからくる、感染予防対策を徹底せねばならない。もちろん、経済活動再開に向けての準備も進めている。5月12日以降は各地域の感染状況等に応じて解除・緩和・継続を決めることになるだろう」と記者会見で語った。

感染者数の急増にも関わらず、同国の死者数は比較的低い状態を維持している。現時点でその理由は分かっていないが、大統領顧問のドミトリー・ペスコフ氏は「欧州のシナリオを回避すべく行動し、結果が出ている」と現状を分析した。

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