◎チャドのイドリス・デビ大統領は昨年4月、反政府勢力「チャドの変化とコンコードの最前線(FACT)」との戦闘で戦死した。
チャドの暫定軍事評議会は1日、5月10日から首都ンジャメナで始まる予定だった国民対話を延期すると発表した。
声明によると、新たな日程は関係機関などと協議したうえで後日通知する予定だという。
同国のイドリス・デビ大統領は昨年4月、反政府勢力「チャドの変化とコンコードの最前線(FACT)」との戦闘で戦死した。その後、息子のマハマト・デビ将軍が議会を解散し、暫定軍事評議会を発足させた。
デビ暫定大統領は旧政府、旧議会、市民社会、反政府勢力に選挙に必要な憲法改正の協議などを行うと呼びかけている。
国民対話には反政府勢力も招待されていたが、評議会は会談前に一定の条件を満たした場合にのみ参加することを許可していた。そのため、カタールの首都ドーハで「事前協議(進行中)」が行われることになった。
この事前協議は国民対話を包括的かつ効果的なものにすると期待されていた。しかし、協議は遅々として進まず、国民対話を延期すべきという声が高まっていた。
協議を仲介するカタール政府は1日、「国民対話の延期を求め、参加者に和平合意に達するための時間を与える」と声明を発表した。
またカタール政府は、「事前協議は大きく前進している」と付け加えた。
事前協議は当初2月中旬に始まる予定だったが、評議会と反政府勢力の折り合いがつかず、3月13日に延期されていた。
デビ暫定大統領は父の死後すぐ、18ヶ月以内に民主的な選挙を行うと約束し、暫定軍事評議会の長に就任した。
アルジャジーラによると、事前協議には50の反政府勢力の代表約300人と、議会の代表24人が参加している。
反政府勢力は、チャドに帰国した場合の安全の保証や捕虜の解放などを評議会に要求している。
アルジャジーラによると、評議会は反乱に関与したと告発されている者に恩赦を与え、すべての反乱軍メンバーに自由を与えたいと切望しているという。
しかし、反政府勢力が評議会に要求している提案(次期選挙への出馬禁止、軍改革、憲法改正など)については意見が分かれている。
旧政府と議会は反政府勢力の提案について、「事前協議ではなく国民対話で精査すべき」と指摘している。