◎M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
アフリカのサル(Joel santana Joelfotos/Pixabay)

コンゴ民主共和国で変異したM痘(エムポックス)が急拡大している。(エムポックス)が急拡大している。

世界保健機関(WHO)によると、同国で今年M痘への感染が確認された人は4500人超。亡くなった人は300人近くに達したという。

中央政府は最近、全国的な流行を受け、公衆衛生上の非常事態を宣言した。

WOHによると、コンゴ東部の南キブ州で昨年10月から今年1月にかけて入院した患者を分析したところ、M痘の遺伝子はより容易にヒト感染し、広がりやすくなっている可能性があるという。

M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。

重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。

死亡率は5~10%。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。

南キブ州のある集落では野生動物と触れ合う機会がほとんどないにもかかわらず、感染者が多数報告されている。

専門家はヒトからヒトへの感染が繰り返された結果、ウイルスが変異した可能性があると指摘している。

WHOは今週公表したレポートの中で、「新しい検査戦略が必要かもしれない」と述べていた。

専門家たちはM痘患者の半数以下しか検査を受けていないと指摘。「患者が名乗り出ない限り、このウイルスは誰にも知られることなく、静かに広がっていくことになる」と警告している。

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