コンテンプト・オブ・コート 4-15
アンカレッジ。
テラ・インフラテック本社。
コールは窓の前に立っていた。
デスクの上には、ノース・ホライズン・シティの資料が広げられている。
その横には、市長殺害事件の資料。
カーター。
マイク・ハンター。
証人。
コールは資料を見ながら、携帯電話を手に取った。
そのとき、ドアがノックされた。
「入れ」
ドアが開く。
秘書が入ってきた。
「失礼します」
コールは振り返らない。
「何だ?」
「市長殺害事件について、報告があります」
コールが窓から離れる。
秘書は手にしていた資料を開いた。
「市長殺害の目撃者から情報提供がありました」
コールの動きが止まった。
「目撃者だと?」
「はい」
「誰だ?」
「男で、身元は確認中です」
コールが秘書を見る。
「それで、何と言っている?」
「市長が殺害された現場を見たそうです」
「実行犯を見たのか?」
秘書は一度、資料を確認した。
「現場から出てきた男を見たと」
コールの表情が変わった。
秘書が続ける。
「身長はカーターより高く、年齢も若く見えたそうです」
「顔は?」
「はっきり見ていないようです」
コールは黙った。
もし、その証言が法廷に出れば、事件の流れが変わる。
マイク・ハンターも当然利用するだろう。
コールは資料を手に取った。
「その目撃者は、なぜ今になって話した?」
「分かりません」
コールは窓の外を見る。
「その男を呼べ。人目につかない場所がいい」
「分かりました」
秘書が資料を閉じる。
「それと、もう一つ」
「何だ?」
「目撃者は、見返りを求めているようです」
コールは笑わなかった。
「金か」
「おそらく」
「いくらだ?」
「まだ聞いていません」
コールは机の上の資料を見る。
「市長殺害事件の目撃者が、金を要求していると」
「はい」
「面白いな」
秘書は黙っている。
コールは資料を閉じた。
「本人から直接聞く」
「分かりました」
秘書がドアへ向かう。
「準備ができたら報告しろ」
「承知しました」
秘書が部屋を出る。
コールは窓の外を見た。
市長殺害の目撃者。
コールはデスクの上の資料へ目を落とした。
「急いで手を打つ必要がある……」
小さく呟く。
その男は何を見たのか。
そして、誰に話したのか。
コールは携帯電話を手に取った。
ジョニーへ連絡する。
数回の呼び出し音のあと、つながった。
「俺だ」
電話の向こうからジョニーの声が聞こえる。
『はい』
「用事ができた。今すぐ来い」
