コンテンプト・オブ・コート 4-13
アンカレッジ。
テラ・インフラテック本社。
コールは執務室の窓際に立っていた。
秘書から受け取った報告書を、デスクの上に置く。
ヒューイ・フリーマン。
マイク・ハンター。
二人の名前が並んでいる。
コールは椅子に座った。
「フリーマンが、マイク・ハンターの事務所に来た」
「はい」
秘書が答える。
「直接会ったことも確認しました」
コールは報告書を開いた。
ヒューイの経歴。
民間軍事会社。
海外での活動。
過去の取引先。
コールはページをめくる。
「あいつはこの業界では有名だ」
「はい」
「マイク・ハンターとの関係は?」
「調査中です」
コールは資料を閉じた。
「ただの知人なら、わざわざアンカレッジまで来る必要はない」
「はい」
「それに、あいつは市長殺害事件を調べている」
秘書は黙っている。
「フリーマンも事件について何か知っているのか?」
「分かりません」
コールは窓の外を見た。
市長選。
ノース・ホライズン・シティ。
市長殺害事件。
そして、マイク・ハンター。
一つずつなら問題はない。
だが、全部が同じ場所に集まっている。
コールはデスクの上の写真を見る。
「ヒューイ・フリーマンとマイク・ハンター」
コールは小さく呟いた。
「なぜ裁判に首を突っ込む?」
秘書は答えなかった。
「金か?」
「可能性はあります」
コールは写真を指で押さえた。
「もっと情報が必要だ」
「分かりました」
「フリーマンの会社も調べろ」
「はい」
コールは椅子から立ち上がり、窓の前まで歩く。
「まだ手は出すな」
秘書が顔を上げる。
「マイク・ハンターですか?」
「二人ともだ」
「分かりました」
コールは窓の外を見た。
「動機が分からない人間ほど厄介だ」
秘書は黙って聞いている。
「あいつは弁護士だ」
「はい」
「あそこまで必死になって調べる理由を知りたい」
コールは振り返った。
「あいつらは何かを探している」
コールはデスクへ戻った。
「問題は、それが何かだ」
秘書が報告書を閉じる。
「調査を続けます」
秘書がドアへ向かう。
「それから……」
コールが呼び止める。
秘書が振り返る。
「マイク・ハンターの周辺にいる人間にも注意しろ」
「ローリー・ブルックスもですか?」
コールの目が細くなる。
「当然だ」
「分かりました」
秘書が部屋を出る。
ドアが閉まった。
コールは一人になった。
机の上には、マイク・ハンターとヒューイ・フリーマンの資料が残っている。
コールは二つの名前を見比べた。
「……何を探っている?」
そのとき、携帯電話が鳴った。
コールが画面を見る。
ジョニーからだった。
「俺だ」
電話に出る。
ジョニーの声が聞こえる。
『フリーマンについて、少し分かりました』
コールの表情が変わる。
「話せ」
『マイク・ハンターとは、かなり古い付き合いのようです』
「それだけか?」
『まだあります』
コールは黙って聞いた。
『二人は、以前から何かを追っている可能性があります』
コールの目が細くなる。
「何を?」
電話の向こうで、ジョニーが答える。
『調査中です』
コールはしばらく黙った。
「分かったらすぐ連絡しろ」
『はい』
通話が切れる。
コールは携帯電話を机に置いた。
