就職面接、服装に悩む求職者、スーツとカジュアルの間で揺れる新常識
パンデミック後の職場では、スーツとパーカーのどちらか一方が正解という状況ではなくなった。
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新型コロナウイルスのパンデミックを経て、企業の職場環境がカジュアル化する中、就職面接に臨む求職者が服装の選択に悩んでいる。かつてはスーツなどのフォーマルなビジネスウェアが面接の定番だったが、リモートワークやハイブリッド勤務の普及によって、面接官自身がTシャツやパーカー姿で現れるケースも珍しくなくなった。
米オハイオ州のボールドウィン・ウォーレス大学に通うダニ・マキューエン(Dannie McQueen)さんは、保険会社の面接に上下そろいのジャケットとパンツで臨んだ。しかし、会社の従業員の多くがTシャツとジーンズ姿だったため、自分だけが場違いなほど堅苦しい格好をしているように感じたという。従来の「面接ではきちんとした服装を」という常識と、現在の職場の実態との間にずれが生じている。
パーソナルスタイリストのクリスティーナ・アダモ(Christina Adamo)は、過去6年間で企業や働き方がよりリラックスしたものになったと指摘する。特にハイブリッド勤務やリモート勤務への移行が、職場の服装規定を緩やかにする要因になったという。現在も経営幹部や法律、金融などの職種では仕立ての良いスーツが推奨されることが多いが、すべての企業に当てはまるわけではない。
そのため専門家は、面接前に企業の服装や雰囲気を調べることを勧めている。企業のウェブサイトやSNSなどに掲載された従業員の写真を確認すれば、職場の服装の傾向を把握できる。採用担当者に直接ドレスコードを確認する方法もある。基本的には、通常の従業員より少しだけフォーマルな服装を選ぶことが一つの目安になる。
ただし、事前に確認しても予想外の状況になることはある。ビジネス・プロフェッショナルという服装指定を受け、ブラウスとスーツのジャケットでオンライン面接に参加した女性が、面接官の一人がスポーツ用のTシャツ姿だったことに驚いた例もある。候補者側からすれば、指定を守るほど自分だけが浮いてしまう可能性があるという矛盾を抱える。
一方、服装は単なる外見の問題ではない。専門家によると、サイズが合い、清潔で手入れされた服を着ることは、自信を持って面接に臨むことにもつながる。面接のために新しく購入した服を初めて着るのではなく、事前に着用して座ったり立ったりした際の感覚を確認しておくことも重要だという。
オンライン面接でも基本的な考え方は同じだ。画面に上半身しか映らない場合でも、対面面接と同じように全身を整えることが勧められている。靴まで履くことで気持ちを切り替えやすくなるほか、カメラ越しでは無地の服の方が柄物より映りやすいとされる。
パンデミック後の職場では、スーツとパーカーのどちらか一方が正解という状況ではなくなった。企業文化や職種、面接形式を確認したうえで、職場の日常よりわずかに整えた服装を選ぶことが、現在の就職活動における現実的な対応となっている。
