◎武装兵はライバルギャングを殺しながら町を焼き尽くし、非武装の人々も次々に殺した…
2024年10月7日/ハイチ、首都ポルトープランス郊外の避難所(AP通信)

ハイチ中部アルティボニット県で先週発生したギャングによる襲撃事件の生存者が7日、現地メディアの取材に報じた。

国連の国際移住機関(IOM)によると、ギャングは3日、アルティボニット県の複数の地区で攻撃を開始し、ライバルギャングの構成員だけでなく、女性や子供も虐殺したという。

AP通信が報じた映像には通りに放置された数人の遺体が映っていた。

IOMはこの襲撃で少なくとも70人が死亡、6300人近くが家を追われたと報告している。

暗闇にまぎれて、数十人の家族がナイフとアサルトライフルで武装してギャングの攻撃を避け、首都ポルトープランス郊外の小さな町に避難した。

途中で車を乗り捨て、最後の行程でカヌーを使ったという女性はAPの取材に対し、「銃声と悲鳴が聞こえ、人々が射殺されたり、刺殺される中、必死に走った」と語った。

「武装兵はライバルギャングを殺しながら町を焼き尽くし、非武装の人々も次々に殺した...」

それによると、ポルトープランスに拠点を置くギャングのひとつは最近、別のギャングがこの地域に仮設の関所を設置したことに激怒し、ギャングの構成員だけでなく、女性や乳児を含む非武装の一般人も殺害したという。

この女性は「近くの畑を徒歩で逃げる途中、70体以上に遺体を見た」と述べた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

中部アルティボニット県はこれまで、比較的安全な地域と信じられていた。

暫定政権を率いるコニーユ(Garry Conille)首相は4日の声明で、この虐殺に関与した者を一人残らず逮捕し、裁判にかけると約束した。

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