◎4月11日と12日にも小規模な噴火が確認されており、降り積もった火山灰は一部の地域で停電を引き起こし、給水もストップした。
専門家によると、4月9日に噴火したセントビンセントおよびグレナディーン諸島のスフリエール山は、今後数日の間に再噴火する可能性が高いという。
9日の噴煙は高度10,000mに達し、セントビンセント島は灰に覆われた。政府当局によると、危険エリア内の住民16,000人以上が避難を余儀なくされたという。
4月11日と12日にも小規模な噴火が確認されており、降り積もった火山灰は一部の地域で停電を引き起こし、給水もストップした。
緊急事態管理グループはセントビンセント島の現状を「戦闘地帯」と表現し、市民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。
西インド諸島大学地震研究センターは12日の声明で、「スフリエール山は火山灰を噴出し続けています」と述べた。「4月9日と同規模、もしくはそれ以上の爆発的な噴火が発生する可能性があります。政府は関係機関やクルーズ船会社と協力して、緊急時の準備を進めなければなりません」
セントビンセント島の北部に位置するスフリエール山は、毎年多くのトレッキング客で賑わう同国を代表する人気観光地のひとつである。なお、最後の噴火は同国がイギリスから独立した1979年の4月と伝えられている。
首都キングスタウンなどの繁華街と住宅街は火山灰に覆われた。火山の専門家は地元メディアの取材に対し、「火山灰は住宅だけでなく電気、水道、通信設備にも深刻な影響を与えるため、可能な限り早く除去しなければならない」と警告した。
地元メディアは、4月11日にも多くの住民が自宅を離れ、政府の避難所に避難したと報じた。
当局者によると、3,000人以上が安全地帯に設置された避難所(主にホテル)に滞在しており、民間の大型クルーズ船も隣国に住民を移送する準備はできているという。
セントルシア、グレナダ、ドミニカ、アンティグア・バーブーダ、ガイアナなどの政府当局は避難者のために国境を開放するとセントビンセント政府に申し出ており、一部の住民はセントルシアに移送された。
ラルフ・ゴンサルヴェス首相は12日の記者会見で、「厚く降り積もった火山灰の影響で、島のほとんどの給水が遮断され、大気は今もひどくよどんでいます」と述べた。「政府は必要な対策の準備を進めていますが、問題は山積しています。しかし、これまでのところ負傷者や死亡者は報告されておらず、避難活動は順調に進んでいます」
カリブ海災害緊急管理局によると、バルバドス政府はセントビンセント島に国防軍を派遣したという。当局者は、「バルバドス国防軍は関係機関と協力して人道支援に当たります」と述べた。