◎スフリエール山は9日の現地時間午前9時前に噴火した。気象当局によると、噴煙は高度10,000mに達し、セントビンセント島のほぼ全域に降灰をもたらしたという。
4月10日、セントビンセントおよびグレナディーン諸島の首都キングスタウンは、スフリエール山の火山灰に覆われ、真っ白になった。
セントビンセント島の北部に位置するスフリエール山は、毎年多くのトレッキング客で賑わうセントビンセントを代表する人気観光地のひとつである。最後の噴火は同国がイギリスから独立した1979年の4月だったと伝えられている。島民は約42年振りの噴火に困惑した。
スフリエール山は9日の現地時間午前9時前に噴火した。気象当局によると、噴煙は高度10,000mに達し、セントビンセント島のほぼ全域に降灰をもたらしたという。
ラルフ・ゴンサルヴェス首相は、8日の時点で爆発的噴火が発生する可能性があると住民に緊急避難を呼びかけていたため、一部の住民は噴火前に避難を開始していた。
ゴンサルヴェス首相は10日夜の記者会見で、「約3,000人が緊急避難所で一夜を過ごし、火口周辺の住民約16,000人が危険エリアから離れた」と述べた。「噴火は今後数日から数週間続く可能性があります。灰の重みで倒壊した住宅もあると報告を受けていますが、詳細はまだ確認できていません」
現地メディアによると、火山活動は10日午後になっても続いており、取材に応じた男性は「雷と唸り声のような噴火音が一晩中鳴り響いていた」と困惑した表情で語った。
スフリエール山を監視しているUWI地震研究センターの主任科学者、リチャード・ロバートソン氏は10日のラジオインタビューの中で、「火山は一晩中、大気に火山灰を放出していました」と述べた。
当局者は地元メディアの取材に対し、「火山灰は住宅だけでなく、送配電設備、水道設備、排水溝、井戸などにも深刻な影響を与える可能性があり、できるだけ早く除去しなければならない」と述べた。
ゴンサルヴェス首相は10日の演説の中で、首都キングスタウンに降り積もった火山灰を除去するクリーンアップ計画を発表した。「灰の除去は、火山活動の時間が長くなるほど困難になります。私たちは灰をどうやって処理するか話し合っています」
当局者は街路清掃車と消防車を使用して灰を除去する可能性があると述べたが、一部の専門家は官民で協力して灰をかき集め、町から離れた場所に投棄した方が良いかもしれないと主張している。
コロナワクチンの接種を終えた市民は、民間のクルーズ船で避難者の受け入れに同意した近隣諸国(グレナダ、ドミニカ、アンティグア・バーブーダ、ガイアナなど)に避難したと伝えられている。ワクチンを接種していない市民は危険エリア外のホテルに避難した。
スフリエール山の南に位置するラバカの住民はロイター通信の取材に対し、「火山灰は30cm以上降り積もり、火山弾と思われる岩の破片も確認しました」と述べた。
緊急事態管理グループは10日の声明で、改めて危険エリアには近づかないよう住民に呼びかけた。「火山の近くには近づかないでください。大気中の火山灰の量は火口に近づくほど濃くなり、火山ガスの影響を受ける可能性もあります。危険エリア外の安全な場所にとどまり、マスクやゴーグルを着用して火山灰から身を守ってください」
火山灰はセントビンセント島の東約160km地点まで広がっており、バルバドス政府は市民に屋内にとどまるよう促した。
セントビンセント島の北約75kmに位置するセントルシア島の市民は、車や自宅の屋根に降り積もった火山灰の写真をソーシャルメディアで共有している。