SHARE:

米領プエルトリコ政府、公営住宅の居住環境調査へ

この措置は子供や高齢者の福祉状況を把握し、正当な居住権を持つ市民が住んでいるかどうかを確認することを目的としている。
米領プエルトリコ、首都サンフアン(Getty Images)

米領プエルトリコ政府は13日、同自治区内にある公営住宅全328か所、計5万6000戸を対象に居住環境や生活状況を確認する方針を示した。この措置は子供や高齢者の福祉状況を把握し、正当な居住権を持つ市民が住んでいるかどうかを確認することを目的としている。公共住宅管理局の局長が地元テレビ局のインタビューで明らかにした。

この取り組みは3月第1週までに完了する予定で、十数人の担当官が各住宅を一軒ずつ回り、生活実態や安全面のチェックを行う計画だ。担当官らは訪問先で福祉サービスの必要性や生活困難の有無などを直接確認し、必要な支援につなげる方針だという。

今回の措置は、最大規模の公営住宅団地に住む母親とその子供2人が極めて劣悪な環境で暮らしているとの近隣住民からの通報を受けたことが発端となった。この問題を受けて調査が進められているが、当該家族は現在その住居から退去していると当局は説明している。

公営住宅管理局は昨年8月にも、不正に居住しているとみなした44戸の住宅を差し押さえたと報告している。当時、十分な収入や資格要件を満たさない居住者が正規に公営住宅を必要とする数千人の人々を待機リストに押しやっていると指摘された。

プエルトリコの公営住宅は低所得者向けの重要な住居インフラとして位置付けられているが、麻薬取引や犯罪活動に利用されるケースがあるとの懸念も当局から示されている。こうした背景から、今回の訪問は単に生活環境を調べるだけでなく、治安維持と適切な住居提供の確保という二重の目的を持つ。

公営住宅問題はプエルトリコ社会が長年抱える課題の一つで、住宅の老朽化や住民の貧困、福祉サービスの不足が深刻化しているとの指摘が続く。住宅待機者リストには多くの低所得世帯が名を連ね、十分な支援を受けられないまま長期間待つケースが少なくない。今回の訪問によって、こうした問題の実態把握と対策強化が進むことが期待される。

政府はこの取り組みにより公営住宅の透明性が高まり、適切な住居環境が確保されるだけでなく、必要な福祉支援が届けられるきっかけになるとの見方を示している。訪問結果に基づき、改善が必要な住居や支援が不可欠な住民については、速やかに対応策を講じる方針だ。

今後は計画通りに訪問が実施されるかどうか、そしてその成果がどのように反映されるかが焦点となる。政府は住民の安全と福祉を最優先に、住宅問題の根本的な改善に向けた取り組みを続ける姿勢を強調している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします