◎左派のシェインバウム氏は保守的なトランプ氏を「ヤバい奴」「世界をかき回す男」と呼んだことがある。
2024年11月26日/メキシコ、首都メキシコシティ、シェインバウム大統領(AP通信)

メキシコシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は26日、トランプ(Donald Trump)次期米大統領がメキシコの製品に関税をかけた場合、関税で報復する可能性を示唆した。

トランプ氏は前日、就任初日にメキシコとカナダの全製品に25%の関税を課すと表明した。

シェインバウム氏は定例会見で、トランプ氏が米加メキシコ自由貿易協定を無視して関税をかけた場合、独自の関税で対抗すると示唆した。

またシェインバウム氏はトランプ氏がメキシコから大量の麻薬が流入していることに不満を表明したことについて、「それは米国の問題である」と突っぱねた。

メキシコの麻薬カルテルは中国やインドから合成オピオイドの前駆体化学物質を輸入。国内で加工し、米国などに密輸している。

オピオイド系鎮痛剤オキシコンチン、パニック障害治療薬ザナックス、アデラルなどにはしばしばフェンタニルが混入しており、その多くが米国に流れ、社会問題になっている

フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。

シェインバウム氏はフェンタニルを含む麻薬の問題について協議する用意があるとしながらも、「麻薬は米国の問題だ」と強調した。

またシェインバウム氏は「関税はそれに呼応してまた別の関税につながり、両国のビジネスを危険にさらすことになる」と述べ、国境の両側に工場を持つ米国の自動車メーカーに言及した。

さらに、メキシコは移民の流入を食い止めるために多くのことをしてきたと強調。「移民はもはや米国の国境に到達していない」と主張した。

シェインバウム氏の恩師であるオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)前大統領はカルテルとの対決を避け、その代わりに「弾丸ではなく抱擁」「暴力ではなく愛」と呼ぶ政策を追求。その結果、麻薬や移民の人身売買が急増するようになった。

シェインバウム氏は「メキシコは米国から密輸される武器の流入に苦しんでいる」と述べ、「麻薬の流入はあなたの国の社会における公衆衛生と消費の問題である」と一蹴した。

またシェインバウム氏は米国の防衛政策を批判。「防衛費を移民問題に割り当てればよい」と述べた。「米国が戦争に費やしている予算の何割かを平和と開発に充てれば、移民の問題は解決できるはずです」

左派のシェインバウム氏は保守的なトランプ氏を「ヤバい奴」「世界をかき回す男」と呼んだことがある。

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