◎グアナフアト州モロレオンの市長選挙に立候補したアルマ・バラガン氏は、5月25日の選挙活動中に殺害された。
2021年5月26日/メキシコ、グアナフアト州モロレオンの市長選挙に立候補していたアルマ・バラガン氏の葬儀(AP通信/アルマンド・ソリス)

現地メディアによると、メキシコ中北部の市長選挙に立候補した候補者が麻薬カルテルもしくはそれに関連する犯罪組織に殺害されたという。

グアナフアト州モロレオンの市長選挙に立候補したアルマ・バラガン氏は、5月25日の選挙活動中に殺害された。現地メディアによると、6月6日の連邦議会選と地方選に立候補し殺害された候補者は、バラガン氏で34人目だという。

アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は26日、「カルテルもしくは他の犯罪組織の構成員がバラガン氏を殺害した」と断言した。容疑者は自動小銃でバラガン氏を射殺したと伝えられているが、詳細は明らかにされていない。

選挙活動を支援するコンサルティング会社のエテレクトは地元メディアの取材に対し、「殺害された34人の候補者の大多数は指名争い中で、接戦が予想されている選挙区に立候補していた」と述べた。

専門家によると、麻薬カルテルなどの犯罪組織は、地元の企業や政府の裏金を確保するために、犯罪者に批判的な候補者を殺害し、犯罪者寄りの候補者を支援するという。

オブラドール大統領は、「カルテルは有権者の票を買収し、逆らう者は家族もろとも殺し、犯罪者に批判的な候補者を処刑している」と述べた。「多くの候補者が立候補を取り下げています。カルテルは総選挙を支配するつもりです...」

バラガン氏は市民運動党の候補として市長選に立候補した。同党は26日の声明で、「候補者が処刑されるような選挙を許してはならない」と述べた。「今回の総選挙はメキシコの歴史の中で最も暴力的な選挙になってしまいました。しかし、市民運動は暴力による脅迫を決して認めず、活動し続けます」

モロレオンはミチョアカン州との州境近くに位置する町で、麻薬カルテル間の抗争や暴力に悩まされている。モロレオンなどの一部地域を拠点とするハリスコ新世代カルテルは、グアナファト州を支配する国内最大の犯罪組織、シナロア・カルテルとそれの支援を受ける地元のギャングと血で血を洗う抗争を繰り広げている。

2021年5月26日/メキシコ、グアナフアト州モロレオンの市長選挙に立候補していたアルマ・バラガン氏の葬儀(AP通信/アルマンド・ソリス)
アフィリエイト広告
スポンサーリンク