メキシコ26年2月インフレ率4.02%、市場予想上回る
国家統計局INEGIが9日に発表したデータによると、2026年2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で4.02%上昇した。
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メキシコでインフレ率が再び上昇し、中央銀行による利下げの継続に疑問が生じている。インフレ率が目標範囲を上回ったことで、金融緩和のペースが鈍化する可能性が高まっている。
国家統計局INEGIが9日に発表したデータによると、2026年2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で4.02%上昇した。これは1月の3.79%から加速し、市場予想の3.94%も上回った。中銀(Banxico)が目標とするインフレ率は3%±1ポイントであり、今回の結果はその上限を超える水準となった。
月次ベースでも物価は0.50%上昇し、予想の0.43%を上回った。食品やエネルギーなど価格変動の大きい項目を除いたコアインフレ率は4.50%で、前月の4.52%からわずかに低下したものの依然として高水準にある。コア指数は中長期的な物価動向を示す重要な指標で、根強いインフレ圧力が続いていることを示している。
物価上昇の背景には国際的なエネルギー価格の上昇がある。中東情勢の緊迫化に伴い原油価格が2022年以来の高水準となり、世界的に石油や液化天然ガスの供給が滞るとの懸念が広がっている。こうした外部要因がエネルギー価格を押し上げ、メキシコの物価にも影響を与えているとみられる。
また、食品やサービス価格の上昇も目立つ。食品・飲料・たばこなどの価格は大きく上昇し、教育関連サービスの値上がりも確認されている。特にトマトやジャガイモ、レモンなどの農産物は大幅に値上がりし、家計の直接的な負担となっている。
こうした状況は金融政策にも影響を与える。中銀は2月の金融政策決定会合で政策金利を7.00%に据え置いたが、多くの理事は将来的な利下げの可能性を残していた。しかし、今回のインフレ加速と世界経済の不確実性を受け、市場では利下げ時期が遅れるとの見方が強まっている。
エコノミストの中には、現時点で利下げを行うことに強い懸念を示す声もある。ある専門家はインフレ率が再び4%を超えた現状で利下げを実施すれば「金融政策上の重大な誤りになる」と指摘する。さらに調査会社キャピタル・エコノミクスのアナリストも、インフレ上昇と原油価格の高騰を踏まえれば、次回会合での0.25ポイントの利下げはほぼ不可能との見方を示している。
メキシコでは2024年以降、インフレの鈍化を背景に段階的な利下げが進められてきたが、足元では再び物価圧力が強まりつつある。今後はエネルギー価格や地政学的リスクの動向がインフレ率を左右する可能性が高く、中銀の金融政策判断にも大きな影響を与えるとみられる。
そのため、当面は物価動向を慎重に見極めながら、利下げのタイミングを探る展開が続く見通しである。インフレ率が目標水準に向けて安定的に低下するかどうかが、メキシコの金融政策の方向性を左右する重要な焦点となっている。
