◎事件はカンクンの空港近くで発生。この地域に拠点を置く麻薬カルテルの構成員とみられる男たちが入管職員7人を車に押し込み、殴打した。
2019年10月24日/メキシコ、首都メキシコシティ上空(Getty Images/AFP通信)

メキシコのリゾート地カンクンに拠点を置く麻薬カルテルが入国管理局の職員7人を拉致、殴打し、解放前に「人身売買を邪魔したら家族もろとも皆殺しにする」と脅迫された。警察当局が11月30日、明らかにした。

それによると、事件はカンクンの空港近くで発生。この地域に拠点を置く麻薬カルテルの構成員とみられる男たちが入管職員7人を車に押し込み、殴打したという。

陸軍と警察はその後、郊外の空き家に7人が拉致されていることを突き止め、突撃。カルテルとの激しい銃撃戦に発展し、7人を奪還した。

この銃撃戦で負傷者が出たかどうかは明らかになっていない。

カンクン警察の担当官は記者団に対し、「カルテルは職員7人に対し、移民の密入国を邪魔すれば家族を拉致し、バラバラに切り刻んでやると脅された」と語った。

地元メディアによると、カルテルが不法移民の取り締まりにあたる入管職員を拉致したのは初めて。

担当官は7人が拉致された経緯を概説した。「重武装した男たちは複数の車で空港近くに乗りつけ、7人に銃を突きつけ、車に押し込み、殴打し、顔に袋をかぶせました...」

警察は7人が拉致された日時を明らかにしていない。

カンクンは世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」の支配下にあるとみられるが、一部地域で麻薬カルテル「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」との抗争・銃撃事件が散発的に発生している。

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