◎人々はブードゥー教の祭りの一環として、ロウソクに火を灯し、骨や食べ物、ラム酒の水差しで祭壇を作り、霊に捧げる。
ハイチ、首都ポルトープランス(Getty Images)

ギャングの暴力に苦しめられている中米ハイチで11月2日の「死者の日」を前に、首都ポルトープランスで小規模な記念行事が行われた。

ハイチでは11月1日から家族総出で墓を掃除し、オレンジ色のマリーゴールドで墓を飾る。墓地でも自宅の祭壇でも、親族がロウソクを灯し、亡くなった親族の好物や飲み物を供える。

人々はブードゥー教の祭りの一環として、ロウソクに火を灯し、骨や食べ物、ラム酒の水差しで祭壇を作り、霊に捧げる。

現地メディアによると、ポルトープランスの主要な墓地に人の姿はほとんどなかったという。1日の早朝に武装した男たちが墓地で目撃されたという情報が拡散していたためだ。

国立墓地の管理者はAFP通信の取材に対し、「いつもは多くの市民が死者の日に合わせて墓参りに来ますが、今年は暴力が激化した影響でガラガラです」と語った。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は先月初め頃から激化。中部アルティボニット県では地元で「グラン・グリフ」と呼ばれているギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

国連が10月30日に公表したデータによると、24年第3四半期(7~9月)に確認されたギャング暴力による死傷者は1740人超。正確な数を知る術はない。

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