◎爆発は14日の未明に発生した。
2021年12月14日/ハイチ、北部カパイシアンの大通り(Joseph Odelyn/AP通信)

12月14日、ハイチ北部の都市カバイシアンでタンクローリーが爆発し、これまでに少なくとも60人の死亡が確認された。

爆発は14日の未明に発生した。

当局は事故発生から数時間後に第一報を伝えた。報告によると、タンクローリーは対向車を避けたはずみで横転し、その後、現場に多くの野次馬が集まり、タンクから漏れたガソリンを奪い合ったという。火元は明らかにされていない。

アリエル・アンリ首相はカバイシアンの医療現場を視察し、犠牲者に哀悼の意を表した。

カバイシアンのパトリック・アルモナー副市長は14日、記者団に「爆発により周囲の建物や民家も大きな被害を受けており、犠牲者はさらに増える可能性がある」と述べた。

カバイシアンの住民はAP通信に、「真夜中に大きな音が聞こえた」と語った。「息子も野次馬のひとりでしたが、無事でした。息子はタンクローリーが爆発して、人が吹き飛んだと言いました」

別の住民は「危うく爆発に巻き込まれるところだった」と述べた。「私と家族はガソリンを分けてもらうつもりでしたが、火の玉が見えたので現場には近づきませんでした」

ハイチは7月のジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件と8月に発生したM7.2の大地震の影響で混乱状態に陥っており、10月中頃に発生した米国とカナダ人17人の誘拐事件はいまだに解決しておらず、地方都市のギャングは主要な燃料基地を占領し、危機に拍車をかけた。

首都ポルトープランスのガソリン価格は11月初めの時点で5ドル(約550円)を超えたと伝えられている。なお、主要地域以外のガソリンスタンドはほとんど営業しておらず、一部の住民はギャングの闇市場でガソリンを購入していると伝えられている。

カバイシアンはハイチで2番目に大きな都市だが、現地メディアによると、地域の医療機関は負傷者の受け入れに苦労し、数十人を空路で首都ポルトープランスに移送したという。また、一部の負傷者は国境なき医師団の施設で治療を受けている。

医師団は14日、必要に応じて患者の受け入れを継続すると声明を発表した。

アンリ首相はで3日間の追悼を宣言し、カバイシアンに支援部隊と援助を送ると約束した。

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