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ハイチ・ギャング戦争:26年1~9月の死傷者5700人超、国連が警告、治安部隊の不足も深刻

ハイチでは12月13日に約10年ぶりとなる総選挙が予定されている。
ハイチ、首都ポルトープランスのギャング(Getty Images/AFP通信)

カリブ海の島国ハイチでギャングによる暴力が続く中、今年に入って少なくとも5700人が死亡または負傷したことが分かった。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のターク(Volker Turk)高等弁務官が2日、国連人権理事会で明らかにしたもので、国連ハイチ事務所が1月1日から9月11日までに確認した被害を集計した。実際の被害規模はさらに大きい可能性がある。

被害は殺傷事件だけにとどまらない。国連によると、同じ期間に230人以上が誘拐され、女性と少女の性的暴力被害者も1000人を超えた。ターク氏は、ギャングが首都ポルトープランスの一部で活動を抑え込まれながらも、別の地域へ勢力を拡大し、武器を集めていると指摘した。

一方、ギャング掃討を目的とする国連主導の「ギャング制圧部隊(GSF)」も十分な戦力を確保できていない。国連安全保障理事会が承認した同部隊は最終的に5500人規模を想定しているが、現在展開しているのは約1500人にとどまる。国連は部隊の早急な増強が必要だとしており、9月末には安保理が任務を2027年3月末まで延長した。

さらに問題となっているのが、ギャング対策による民間人被害である。ターク氏によると、今年の死傷者の半数以上が治安作戦に関連しており、流れ弾や爆発物を搭載したドローンによって一般市民が被害を受けたケースも確認されている。自警団による殺傷も約280人に上り、国連は治安当局や自警団による不必要かつ過度な武力行使に強い懸念を示している。

ハイチでは12月13日に約10年ぶりとなる総選挙が予定されている。しかし、ギャングが広範囲を支配し、約150万人が住居を追われる状況では、選挙を安全に実施できるかも不透明である。国際社会が治安部隊の増強と市民保護を実現できるかが、ハイチの政治再建を左右することになりそうだ。

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